表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
恋愛日記  作者: 椎葉碧生
94/99

91)一触即発

「相変わらず直球だな、紗羽は。・・・今はリハビリ中。」


コーヒーをちびりと口にして背凭れに凭れ、目の前の自販機を見つめる蓮兄。

「・・・あの時は狂ってたと思う。美羽が薬を自分から飲むって言って何錠も手にしたのを

 見て俺は止めなかった。コイツ死ぬかもって思ったよ。だけど怖くなかった。コイツが

 死んだら俺も後から逝けば良いって思った。本望だとも思ったよ。」

「・・・柊ちゃんの事は考えなかったの?」

「考えないよ。あいつさえ居なければ俺はとっくに美羽を自分のモノにしてた。」

「・・・。」

「でもあいつが居なかったら俺も居ない訳じゃない。悔しいけど柊は俺には不可欠な人間。」

「美羽っちは。」

「・・・美羽は・・・俺と柊が居なかったら幸せだったかもな。」

「そんな訳ないでしょ。」

あたしが言おうと思ったその台詞が樋口の口から飛び出した。

「病んでる振りしないで帰ってきたらどうなんですか。岩崎さんらしくない。」

それは思いもしなかった台詞で、あたしは思わず樋口に目を剥いた。

蓮兄が鼻で笑う。

「美羽さんに利用された事、赦せないんですか?だからこんな所に居るの?」

「リハビリ中だって言っただろ。お前はさ、紗羽が今死んだら全部自分の中に閉じ込めておけると

 思うか?これで紗羽の目には他の男は映らない。紗羽が誰かの特別になる事も無いって思うか?」

蓮兄の質問に樋口が真っ直ぐな視線そのままに熟慮する。


「思いますよ。」


数秒後、樋口はそう答えた。

「俺が最後の男だったって何時か想いますよ。でも先ず紗羽が死ぬなんて考えない。考えたくもない。」

「・・・思うなよ。」

「だぁっっ!!アンタは何考えてんの?!ぐちゃぐちゃに考えすぎなんだよっ!」


(え、何で喧嘩腰?!)


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ