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恋愛日記  作者: 椎葉碧生
83/99

83)守りたい

美羽っちは幾つかの検査を受けて異常が無い事が確認された。

こちらの「大丈夫?」や「リンゴ食べる?」と云う質問には顔を和らげて答えを返す。

でも


「蓮兄と何があったの?」


とあたしが聞いても、それには目を伏せ黙秘する。


柊ちゃんと蓮兄は、意識のある時の美羽っちには会ってない。

美羽っちに恐怖を感じさせたくないと思ってる様だった。

ママが、病院からの帰りの車内で言った。


「蓮クン・・・自分でね心療内科に行くって言ったみたい。」

「・・・そう。」


蓮兄はカウンセリングを受けて、元の、ただの美羽っちの幼馴染に戻りたいのかな。

「壊したいほど美羽を愛してる」って、目の前の先生に打ち明けるのかな。

柊ちゃんは学校に行って、何時ものようにサッカーボールを蹴ってる。

きっとそうじゃないと自分を保ってられないんだと思う。

歪んだ3人のカタチを作ったのは、柊ちゃん。それは紛れもない事実なのだから。



あたしは誰かの声で目を覚ます。首が痛い。

どうやら美羽っちの病室のベッドの傍らで両腕に頭を乗せてうたた寝をしていたらしい。

声の主が、ロイだと気付いてあたしは寝たふりを続ける。


「苦しいか。」

ロイが美羽っちに聞いている。

「蓮君と柊君にどんな顔をして良いか解りません。」

「俺に見せてるその顔見せれば良いだろ。」

「貴方と彼らは違います。」

きっぱりと美羽っちは言う。

蓮兄が言ってたよね、美羽っちとロイは対なんだって・・・。

「咲?・・・強くなりたいですね。」

「強くなって”俺”を守りたかったんだろ?」

「・・・。」

「美羽、俺は弱くない。お前はきっと何か勘違いしてる。」

衣擦れの音がする。数回。

美羽っちが顔を横に振ったのかな。

「咲はお父様が許せないんでしょう?お母様と咲自身を放っておくお父様が許せない。だから

 その怒りを誰かで発散させようとした。」

美羽っちの冷静沈着な解析。



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