5)図書委員
クラスの友達と放課後、カラオケ行った帰りに駅前でばったりと樋口に会った。
図書委員会があって、こんな時間になったらしい。
「美羽っちと何か喋った?」
「腹減った。お前で良い、付き合え。」
「・・・失礼だな。」
あたしは樋口に付き合わされてファストフード店に入った。
奢ってもらったカフェラテに砂糖を溶かす。
樋口はがっつり、セットで食べてる。
「・・・帰ったら夕飯、あんじゃないの?」
「帰って直ぐバイトしないといけないし。」
「バイト?うちバイト禁止じゃん。大丈夫なの?」
「バラすなよ。」
「あたし、そんな口の軽い女じゃないですけどぉ。」
ハグハグとハンバーガーにかぶりつく樋口。
食べ方が柊ちゃんに似てる。ちょっと笑えた。
「何が可笑しい?」
「ふ、ゴメンゴメン。柊ちゃんに食べ方が似てるから。」
「シュウちゃん?あぁカタワレか。お前等付き合ってんの?」
「・・・え、樋口、美羽っちじゃなくて、あたしの事が好きなの?」
「何でそうなるんだよ。」
「だって、あたしに興味示したから。」
「雑談だろ。」
あっと言う間に平らげ、アイスティーに口をつける樋口。
「あいつのガードが堅すぎて、一言も喋れなかった。」
「あいつ?あ、蓮兄?」
「美羽さんに話しかけた事、全部あいつが答えやがった。」
「・・・ねぇ、美羽っちのこと、本気なの?だって未だ会って1カ月半だよ?」
「美羽さんに会ってからもう8カ月も経ってる。」
樋口の話は、あたしの乙女の心をくすぐった。
ちょっと、応援してあげようかなって気にさせられた。