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恋愛日記  作者: 椎葉碧生
37/99

37)教えてくれませんか

一口カレーを口にして思った事。


(・・・負けたかも)


ママのカレーはチキンカレー、樋口のカレーは申し訳程度の豚肉恐らく小間切れカレー。

でも・・・何だか美味しい。凄くあたしの味覚に合ってる。

悔しくて”美味しい”と言いたくない。


翠ちゃんも匠クンも黙々と食べ、最後に水を流し込むと先程と同じ様に教科書を見始めた。

樋口に目をやるとこれも又無口に。


(空気悪っ!)


「樋口・・・美味しいよカレー。」

悔しいから樋口の顔は見ずに言った。

スプーンと皿がぶつかる音が一瞬途絶え、樋口が鼻で笑うのが聞こえた。

「当たり前だろ。」

「今度うち来る?ママのカレーも食べにおいでよ?」

純粋な気持ちで誘ったのだけれど、樋口は少し考え込んでいた。


「あのさ・・・美羽さんの事でお前がそんなに頑張ってくれなくて良いからさ。」

「・・・え。あ、うん別にそういう意味で今は誘った訳じゃないけど。」

あたしは黙ってしまう。

目の前のカレールーをスプーンで掬っては流してを繰り返した。

「・・・そか。ごめん。」

「ごめん、あたし帰るよ。残しちゃって悪いけど・・・ゴメン。」


ラグから立ちあがりバックを持つと、二人で立ったキッチンをやり過ごし、小さな玄関でサンダルを突っ掛ける。


閉まりかけたドアの隙間から樋口の声が聞こえた。

あたしの名を呼んだけど、あたしはそれを無視した。


何だろう・・・。この蒸発し切れないモクモクと湧き上がる熱い感情は何だろう。



樋口の家から何処をどうやって歩いたのか。

感情の理解に苦しみながら歩き続け、直ぐそこにあったかい光を灯した家を見つける。

そしてそこに、蓮兄が居た。


「紗羽は俺が言った事、理解出来てないみたいだね。」


美羽っちには絶対、聞かせないような冷たい口調だった。


椎葉です。

すみません、何時もの更新時間に更新できませんでした^^;

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