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恋愛日記  作者: 椎葉碧生
34/99

34)対抗心

「本当に此処で良かったんですか?」

樋口が恐縮そうに美羽っちに確認する。

「はい!」

美羽っちは嬉しそうにメニューを眺める此処は、牛丼屋さんだった。

今まで来た事が無かったから来たかったらしい。

「あたし並のつゆだくぅ♪」

「紗羽ちゃん、つゆ・?」

「つゆだく。つゆいっぱいって事だよ、美羽っちもそうする?」

「何だか判りませんが・・・はい、でわ紗羽ちゃんと同じでお願いします。」

「俺、大盛り。」


(金無いって言ったの誰だっけ??)


「じゃぁ俺、大盛りのつゆだくだくで。」

「うえっ男の癖にだくだくって。だくだくって。」

「何で2回も言うんだよ!俺は汁ご飯が好物なんです!」

「だくで充分じゃん。何それスプーンで頂いちゃうんですかっ!」

「スプーンくださいっ。」

「・・・ぷっ。」

軽く握った右手を口元に当てて美羽っちが小さく笑っていた。

「お二人、とても仲が良いんですね。」

あたしは美羽っちの一言で身体が熱くなるのを感じた。

樋口を見ると、樋口も何だかバツの悪そうな顔と共に顔を赤らめている。


テーブルに配膳されたつゆだくの牛丼を見て、美羽っちは目を輝かせ、紅ショウガ食べ放題にも

目を丸くし、肉の薄さにも目を見開いていた。

「ふふふ、本当に樋口君の牛丼、おつゆいっぱいですね。」

「・・・俺、味覚が子供なんですよね。」

「紗羽ちゃんもそうですよね?一番好きなのはカレーですし。」

「美羽っちっ!言わなくて良いよーそんな事を。」

あたしは慌てる。

「初さんのカレーは日本一ですものね。」

「あ、初さんってママの事だから。」

「カレーならうちのが一番だって弟は言うけどね。」

「何?やる気?!ママのカレーは千円出しても惜しくないし。」

「俺んとこは1200円出して良い、なツッチー?」

「・・・忘れたよ、お前んちのカレーなんて。」

ツッチーは場を盛り上げる事もなく、読めない感丸出しで牛丼を黙々と食べ続けた。

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