20)ホントに来たのっ?!
家に帰り着くと門の前に誰かが居る事に気付く。
あたしの1.5の視力が下がってなければ、あの胸の突起は”巨乳”ですね。
「こコーチ・・・どうしたんですか?」
「こんにちわ紗羽ちゃん。ねぇ隣の岩崎って、蓮クンのお家?」
「そうですけど・・・。」
「そう有難う。」
「え・・・どうして家、知ってるんですか?」
「オーナーに忘れ物届けたいって言ったら教えてくれたの。」
今日のコーチは、白いスタンドカラーのシャツにロールアップジーンズ、そしてピンヒール。
少し焼けた肌にゴールドのアンクレットがキラリと光る。
女を意識させるには充分な服装だった。
躊躇いも無く巨乳は岩崎家のインターホンを押した。
「はい。」
(・・・うぁ・・蓮兄の声だ)
「私、麻田と申しますが蓮君はいらっしゃいますか?」
「・・・蓮は未だ帰ってません。」
巨乳があたしの方を見る。口が”ダレ?”と動いた。
「あ、あの蓮兄は弟が居るんです。」
巨乳は肩を少し竦め、インターホンに向かって
「出直します。」
と言った。
「ねぇ紗羽ちゃん、蓮クンの携帯教えてくれない?」
「・・・それはちょっとぉ・・・。」
あたしがそう言うと巨乳はきつい視線をあたしに投げかけた。
「あっそ。じゃぁ良いわ。じゃあね。」
お尻をプリプリさせながら巨乳は帰って行った。
(うわーこわーっストーカーかっつーのっ!)
あたしはインターホンを押した。
「”柊ちゃん”、巨乳帰ったよ。」
「ぶっ、巨乳って。ごめんね紗羽。」
「良いけどさ・・・しつこそうだよ、あの人。」
「うん、何とかする。」
「じゃーね、蓮兄。」
「あぁ。」
あたしは家に帰ると、ママに声を掛けた。
「ママ、あたし明日お弁当作って行きたいんだけど。」