15)シスコンです
今日あった事を柊ちゃんに話すと、先ず部活を放ってまで美羽っちの所に
行った事に驚いていた。
「キスまがいねぇ・・・。相当溜まってんな、蓮。」
「悠長に構えないでよ。蓮兄に電話してみよっか。」
(美羽っちは携帯、持ってないので)
「良いんじゃねーの。なるようになれば。二人の問題じゃん。」
「えぇ・・・えー・・・。」
あたしはあからさまに嫌な顔をした。
「蓮は美羽、好きなんだし、美羽だって蓮にその気があれば問題ない事でしょ。
お前もシスコンやめれよ、いい加減。何時までもお前が美羽の事、守れる訳じゃないんだし。」
「美羽っちにその気は無いの、柊ちゃんだって解ってるでしょ?!園芸部の部長と同レベル
扱いされてるんだよっ?!」
「・・・それは問題だな。」
リビングのソファの上で、あたしはクッションを抱えて、頭も抱えた。
「柊ちゃんもさ、好きな子は束縛したい?」
「え?・・・うーん、あんまり他の男と仲良くして貰いたくはないわな。」
「蓮兄がさ、”美羽を人目に晒さないで”って言ったんだよ?どう思う?それってさ、
行き過ぎじゃないのかなぁ?」
柊ちゃんは、サッカーの雑誌を乱暴にテーブルの上に投げた。
「”美羽”だからだろ?これがお前みたいな普通の女子だったら、そこまでは思わないと
思うよ?きっとユルーイ嫉妬とかで済むんだと思う。美羽は、人と思考が違うから
心配なんだろ?だからじゃないの?」
「蓮兄の味方かっ!」
あたしはクッションを手にして柊ちゃんにぶつける。
「双子だから解るんだよ、蓮の思う事が、思いつく事が。・・・今も別に
エロイ事にはなってないと思うよ?ただ二人で街、歩いてんじゃないの?」
双子だから解る。
説得力あるなぁ・・・。あたしは美羽っちと血は繋がってるけど、美羽っちの事
解らない事だらけだなぁ・・・。