『虹の影』

⑵『虹の影』

⑵『虹の影』

㈠

打擲された仏像は、怒りにまかせて、日本列島を破壊しようとしたそうだ、という偽の伝記でも書こうと思ったが、やはりここは、虹の影、であるからして、寧ろ、仏像が泣いていて貰いたかった、とすれば、空に虹も掛かるだろう。

㈡

難しい問題だよ、虹の影なんて、意味不明なタイトルにするから、てこずるんだ、という発語は、恐らく正しいだろうが、そうだろうが、そんな風に思えない気もしてきて、まあ、虹の影が祝福装置であってくれよと、願うばかりだ。

㈢

完結名良に言うことは、自身に責任を負わなければならないだろうが、そうは言っても、我々の我々は、我々の我々だから、拙い言葉を文章にして、文脈を練ってさえいれば、恐らくは、虹の影も見えてくるだろうという、予感しかないんだ。