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ゼオン侯爵家 執事

イーズス伯爵家でも、激震が走ったのだが、それより前に激震が走ったのは、いうまでもない王都のゼオン侯爵家である。


なんせ、何人かの使用人たちがいる真ん前で、イーズス伯爵家の17歳の令嬢が、旦那様に愛を告白したのである。しかも、気の迷いにしようと思ったら、伯爵夫人から、娘は本気ですのでよろしくと言われ、しかも、新しく養子となったギルバート様にどうされるのですか?自分は旦那様の幸せを願っているのですと尋ねられたら、


「ありがとう、その気持ちだけで十分だ。でも、わかったよ。私も、最近は、このままではいけないと思っていたからね。エリザベス嬢とは限らないが結婚について考えるようにしよう」

こう仰ったのだ。


その場にいた執事のアダムは、もう、自分は空気だ、空気だと心に言い聞かせながら、お茶をお二人にサーブした自分を褒めてやりたいと心から思った。


そして、退室した瞬間に最大限の早足で自室に向かった後、2通の手紙をしたためた。

ゼオン領侯爵家の家令であるノアと侯爵の姉であるビクトリア様宛てである。ノアは、実は王都のタウンハウスの執事である自分の兄であり、兄弟にとって、旦那様が再婚されることは悲願でもあった。しかし、とうとう、結婚せず、養子養女縁組みをされると聞いて、正直がっかりしていたのだが、養子縁組をする相手が、ノアが褒めていたジルで、実は貴族で今貴族界で最大の話題になっている悲劇のケント子爵一家の嫡男であるギルバート様であったとわかって、さすが旦那様だと感心していたのだった。


ノアは、姉であるシャーロット様との再婚まで考えていたようだが、正直それはないだろうとアダムは考えていた。そもそも、旦那様は、奥様を亡くされて以来結婚しようという前向きな気持ちがひとつも無いように見えたのだ。王都に来られる時も、あえて社交界シーズンを外してやってきて、王都のタウンハウスの経営や王都の商人との会合、そして王太子や本当に少数の友人と会う以外は、パーティーにも一切参加されない。そんな生活がずっと続いていたのだ。

当然、ビクトリア様もそんな弟の状況に心を痛められなんとか再婚をと手紙をなんども書かれ、王都の館にも来られたが、全く旦那様は、真面目に受け止めようとはされなかった。


手紙には、イーズス伯爵家の令嬢であるエリザベス様が、養女のシャーロット様の婚約式の打ち合わせで来られた時に、旦那様に一目惚れされて愛を告白されたこと、伯爵夫人も意外にも肯定的に取られていること、そして 何よりも、養子となったギルバート様が、ノアが結婚について心を痛めていたこと、もし侯爵が結婚して幸せになってくださるのであればそれが何よりだと話され、もし子供が産まれたら自分は、その子を支えてゼオン領を守っていきたいとまで仰ったことを書いた。その上で、

旦那様が、

「私も、最近は、このままではいけないと思っていたから、エリザベス嬢とは限らないが結婚について考えるようにしよう」と仰ったことを記した。


今まで一度たりともそんなことをおっしゃらなかった旦那様である。こちらの鼻息が荒くなるのは当然である。

無論、第一候補はエリザベス様としても、もしかしたら他のご令嬢との結婚話にも耳を傾けてくださるのかもしれない。エリザベスさまは、確かに歳が離れすぎている。いや、こちらが結婚したいと相手を圧迫するならいざ知らず、相手が好きだ、結婚したいと言ってきてくださっているのだ、


これは、ロリコンでも何でもない、純粋な恋愛だ!と正当化しているアダムである。


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