表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

90/225

イーズス伯爵家

本編では、あまり語らなかったアーサーの家族のお話から始まります

「こ、これは・・・」

王都新聞を持つ手が震える。

イーズス伯爵夫人であるセーラは、

「セバスチャン、セバスチャン、すぐに来なさい」

気が動転して、ベルも鳴らさず、大声で執事を呼ぶ。

その声に気がついたのか、

「お母様、大声を出してどうなさったの?」


先ほどまで乗馬に出かけていたのか、貴婦人用の乗馬服をきて、娘のエリザベスが慌ててやってくる。エリザベスは、ダークブロンドで茶色の眼をしており、どちらかというとイーズス伯爵に似ている。可愛い娘なのだが、騎士団長を多く生み出している伯爵家に生まれたこともあり動くことが何より好きなのだ。


「奥様、お呼びですか?いかがなされました?」

とセバスチャンが慌ててやってくる。


「セバスチャン、この記事は何!本当に本当なの?本当に、ギルバートとシャーロットが生きていたの!?」


「え?どう言うことですの?ギルバートとシャーロットってケント子爵の?シャーロット様のことをいってらっしゃるの?」


エリザベスも興奮気味である。

「そうなのよ、二人は、ケント領であの悪党のゲルトランに両親と一緒に殺されそうになったのを逃げて、ゼオン侯爵に保護されていたのですって!」


「なんて、なんてこと」

エリザベスが震えている。


「お母様」  「エリザベス」


二人がガシッと抱き合う。

「やったわ!やった!アーサーがこれで結婚できるわ!そして、あの天使のようなシャーロットちゃんが娘になるのよっ!」


「あの、シャーロット様しか頭にないポンコツのアーサー兄様がこれでイーズス伯爵家を継げるってことね。そして、あの天使のようなシャーロット様がお姉様になるのだわ~、はー、幸せすぎる。」


「いけないわ。しっかり本当か確認しなくては!セバスチャン、馬車の準備を! すぐにフリードに確認しなくては!」


「奥様、お嬢様、落ち着いてください。確かに、ギルバートさまとシャーロット様が生きていらっしゃったことだけは、私もご連絡いただきましたが、まだ細かいところがはっきりしないから、お二人には言うなと旦那様から」


はっと口を閉じる。じーっとこちらを冷たい目で見つめる夫人がいる。アーサーは、母親似である。セーラは黒髪に深い碧色の眼で美しく、社交界でも随一と言われる貴婦人でもある。しかも、騎士団で睨みつけられると皆震え上がると言われるアーサーの目つきと一緒なのである。ゾゾっとしていると、


「あら、セバスチャン、お前は、私にそんな大切なことも話してくれなかったのね。旦那様もひどいこと、夫婦でこんな大切なことを隠すなんて・・・はぁー、私、夫婦というものが信じられなくなって来たわね・・・」



「奥さま、申し訳ありません、あくまで事実を把握するまでの対応でして」


「セバスチャン、さっさと馬車を用意しなさい。旦那さまにお話ししないといけないことがたくさんあるようだわ」

と扇子をバチりと閉じたと思ったらにっこり微笑む。


セバスチャンは真っ青になる。奥様は旦那さまのことをいつもフリードと呼ぶ。旦那様と呼ぶときは、怒っている時である。


旦那様、申し訳ありません。奥様を止めることは、私めには難しゅうございます。

と心の中で呟いたのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ