裁判1
裁判当日、王太子殿下妃殿下暗殺未遂については、その場で逮捕されたジョンを始め、兵隊達は言い逃れができない。お互いに罪をなすりつけながらも有罪が確定し、これだけで全員死刑が決定した。
しかし、ゲルトランは、一切を知らぬ存ぜぬで否定し続ける。
「私は、確かに彼らを護衛として雇っていたのです。ですが、そんな大それたことを計画しているなんて予想もしなかったのです。」
と涙を流して訴える。
それに対して、ジョンが、
「は?今更、自分だけ無罪になろうとは虫の良い話だな。そもそも、お前が胡散臭い商会から金を借りたのが最初のきっかけだろうが。あんたが、あいつらとつるまなければ、俺たちもあいつらからこんなことを頼まれなかったんだよ。」
「お前達、自分たちが勝手に計画しておきながら何を言っておる!」
ゲルトランが怒鳴る。
「静粛に。単に罪のなすりつけ合いですな。何れにせよ、被告人ゲルトランが、王太子殿下の訪問の情報をドルミカ国に流していたことは明白である。相手が、ドルミカの手先だったかどうか知っていたかは関係ない。そしてその襲撃について知っていたにも関わらず、通報しなかった時点で同罪と考える。被告人ゲルトランも死刑とする。」
「次に、麻薬パーティーを行っていたこと、麻薬をケントの領地で育てていたこと、そしてその麻薬パーティーで手に入れた情報を商人に渡していたことを認めるか?」
と裁判官に聞かれると、
「確かにパーティーを行っていたのは事実です。それは、たまたま後を継いだケント領に麻薬が栽培されていたからだ。麻薬を栽培していたのは前のロバート子爵だったのです」
と言い張る。
これについては、イーズス伯が激昂する。
「よもや、そんな言い逃れをするとは許せん!ケント領の使用人が皆ロバートがそんなことをしていないことを証明している上、お前が、ケント子爵となってから麻薬が流通し始めたのは、取引していた奴らの証言から明らかだ!そして、そのパーティーには、ゲルトランの妻と子も参加していたと他の貴族からの証言も得ている」
裁判官が
「言い逃れも甚だしい。ここに提出された証拠だけでもゲルトランが子爵となってから麻薬栽培が行われたのは明らかだ。これについても有罪と考える。 王太子殿下暗殺については、妻子の罪状ははっきりしないが、麻薬の売買と取り扱いについては、妻子の関与も明らかである。子、ヘンドリックが、麻薬パーティーを貴族の子弟を中心に行っていたこと、騎士団の内偵に気がついて、平民の女をジョンが殺害したことも証言がある。すでに複数の貴族の子弟が麻薬漬けとなっている。こちらについて、妻子も死刑と処す」




