王太子の帰還2
「そして、アーサー、そなたはこの件が終わったらシャーロット嬢をゼオンまで迎えに行くつもりか?」
「はい、無論です。彼女を迎えに言って、王都の伯爵家で過ごしてもらうつもりでいます。」
王太子と侯爵がクスクス笑いながら、話す。
「アーサー、そなたは、本当に優秀なのにシャーロット嬢のことになると途端にダメになるな。」
アーサーはちょっとムッとする。自覚は多少あるもののそこまで指摘されるとはと思っていると、
「アーサー殿、私たちは、君にシャーロット嬢が送ってきた手紙も一緒に読んでいる。最後の君に向けた愛情に満ちた文面もね。」
思い出すと、アーサーは顔が赤くなる。そうだ、緊急事態だったので、あの文章は殿下や侯爵、ギルバート達みんなに見せている。
「あの文章は、もう一度あなたと話し合いたい、ゼオンであなたが来てくれるのを待っていますと書かれていたが、迎えにきてくださいとは書いてなかったぞ。」
と殿下は少しニヤニヤする。
「つまり、お前に迎えにきてもらってすぐ結婚しますとは書いてなかったということが言いたい。」
頷きながら、侯爵が話す。「我々は、君と違って、ゆっくり馬車や宿泊先で話す時間があったからね。私は、この約4年については、君よりも彼女との付き合いは長い。」
「昔の彼女のことは知らないが まず、大前提として、アーサー殿、シャーロット嬢は、貴殿が今まで知っているシャーロット嬢とはかなり違うと思う。どこの貴族令嬢が殺されかけた後、平民となって治療師の資格をとるか?
私は、この数年、彼女を見ていて知っているが、彼女は、非常に頭が良い自立した女性で、科学的に観察し冷静に判断する力も持っている。今回の件を見ていてもそれはわかったと思う。治療師としても街の住民に信頼されている。
しかも、我が領土が、この数年ハーブやその産業で栄え始めたのは全て彼女のアドバイスのおかげだ。彼女は、蒸留という画期的な方法を考案してこれからさらに発展すると思われる。
今回の暗殺事件を未然に防ぐことができたのは、彼女の発想があったからだ。おそらく、この件についての彼女の功績が発表されれば、誰も彼女を女の治療師だと見下げるものはいなくなる。なんせ、王太子夫妻を救った救世主だからね。」
確かにそうだ。今回彼女がいなければ暗殺は未遂ではすまなかったかもしれないのだ。アーサーも頷く。
「彼女は、君のことを好きだが、話し合いたいと書いている。今までの仕事に彼女はプライドを持っているのだよ。話し合うときに、君が、彼女を屋敷に閉じ込めて彼女の行動を阻害するような言動をしたら彼女は君のことが好きでも受け入れられないかもしれない。アーサー殿と結婚して良妻賢母として家に閉じこもっているような女性ではない。むしろ、私は、彼女を大学に入れてもっと学ばせたい。そうすることが、この国にとって大きな発展に寄与するのではと思うのだよ。」
これでアルファポリス様に追いつきましたのでここから投稿スピードがゆっくりになります。基本的には、1日2回です。よろしくお願いします。




