第二騎士団の帰還
王都では、イーズス騎士団長が、今かいまかと第二騎士団の到着を待っていた。
早馬で、ペリエで海賊に襲われたこと、その後ゼオンから戻って来ることなど、漸次連絡はきていたが、その後に、王都に内通者がいるらしいこと、再度の襲撃が計画されていることがわかり、それを予測して、王太子夫妻には別ルートで第二騎士団の一部とゼオン侯爵とバラン伯爵の護衛団を中心に守られながら王都に向かい、アーサーをはじめとする第二騎士団はバランで手配された王太子夫妻の影武者になるものとともに囮として、その一団を一網打尽にするために本来のルートで王都に向かうと連絡がきたのだ。相手に動きが発覚しないようにひたすら王都で待つしかなかったのだ。
「閣下、第二騎士団が戻ってこられました。一味を逮捕捕獲しているようです!」
「よし、でかした。アーサー!」と向かう。
騎士団の門を入ったところに、第二騎士団が到着し、全員で敬礼する。
「アーサー イーズス、戻ってまいりました。」
「よく勤めを果たしてくれた。王太子殿下もこちらに向かっておられる、4、5日で到着されるだろうとのことだ。それまでに、逮捕した奴らを拷問してでも吐かせて、まだのうのうと過ごしている奴らを捕まえるのだ。」
「は!逮捕以来取り調べており、複数の商店が該当するようで、そちらにも兵を派遣しておりますが、一部はすでに王都を出立してしまったようです。すでにあとを追うように命令はしております。」
逮捕したゲルトランと、その手下の兵士たち、そして外国籍の兵士たちの取り調べは進んでいるものの、トカゲの尻尾切りとなってしまい、外国籍の商店がすでにもぬけの殻状態となってしまっているのである。その中でも騎士団がしらみつぶしに捜索し、複数の関係者は逮捕ができたが、一部は自殺してしまいドルミカ王国との関連が証明しきれない状態であった。
「アーサー、此度もよくやった。襲撃を許してしまったことは残念だが、ペリエの街を守ることもでき、二度目の襲撃は未然にふせげた。あとは、ドルミカ国とどうしていくかはここから国王陛下と議会で決めていくことになるな。」
「きっと、相手は、海賊も兵士も知らぬ存ぜぬで済まして来るのでしょうな。」
「ドルミカ王国の人間であることは間違いないのだ。知らぬ存ぜぬでは通せない、しかしなんとも王太子の暗殺を計画するとは不埒な奴らだ。」
「はい、ただ、確かに国王陛下には男性のお子様が王太子殿下しかいらっしゃらないのは事実です。そして、殿下にも男のお子様はお一人のみ。王太子殿下の暗殺に成功すれば、我が国の被害は多大なものになるところでした。」
と頷く。
「ふむ、それはまた考えるとして警護をさらに厚くする必要があるな。アーサー」
「閣下、私は、もう少ししたら休暇を申請しますので王家の警護は第一騎士団でお願い申し上げます。」
「な、何を。いま、しばらく忙しくなると言おうとしたところだぞ」
「そもそも王家の警護は、第一騎士団の職務です。それに第3、第4も街の警護という意味では一緒に行うべきでしょう。」
「確かにそうだが。一体どういうことだ。」
「王太子殿下ご夫妻とゼオン侯爵が数日後に到着されるはずです。その時に、改めてお話ししたいと思います。それまでに私は、もう少し外国の商店の追跡をしたいと思いますのでよろしくお願いします。報告書については、オスカーに用意させています。 失礼します。」
「オスカー、どういうことだ!」
出て行こうとするオスカーを捕まえる。
「話すと長くなるのですが、一言でいえば、シャーロット様が生きていて、今はゼオンで過ごされていて、アーサーさまが迎えにいくつもりでいるってことですかね。」
オスカーがへらっと話す。
「シャーロットが生きていたと!」
「はい、とりあえず、合わせて報告書をお読みいただけると良いかと。私も、急ぎ追跡に行ってまいります。」
アーサーを追いかけるように出て行ったのであった。




