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早馬


ノアは急ぎ、指示を出す。

「ピーター、よく伝えてくれた。お前は砦に戻って警戒を怠らないように。ここからはもう1隊を派遣する。隊長を呼べ。」



「シャーロット様、安心してください。第二騎士団のアーサーさまはこの国で最強と呼ばれ、率いる第二騎士団も屈強な兵士達です。そこに、さらにゼオン領の騎士団も同行している。ここで、さらに援軍をつけるのです。いくらドルミカ国が襲撃を企んでいても、まして我が国内です。そうそう、やられたりしません。」


そう、そうだと思う。だけど不安でしかたない。だが、ここから一人で王都まで追いかけると行っても10日近くかかる日程を不眠不休で馬を走らせることは難しい。待つしかないの…

とりあえず、軍隊の派遣の準備を手伝う。怪我をしたときのための薬や消毒液、飲み薬などを急ぎ準備する。


ふと気になる。内通者とは一体誰なんだろう。そして、王都までに襲撃するとなるとどうやって襲撃するのだろう。

そして、はっと気がつく。そして急ぎ手紙を書く。




「ノアさん、これをアーサー様に渡して下さい。女の私のたわ言と思うかもしれませんが、私は、王都からケント領、そしてケント領からこのゼオンまできました。その中でもし襲撃するとなったときにこの場所ならと思うところがあります。特にその部分に警戒していただいたらと思うのです。」





「承りました。シャーロット様、いえ、エミリー、私も旦那様もあなたの知識、ものの考え方、発想力が他のものとは全く違うことをわかっています。必ずお渡しします。」


「ありがとうございます」とホッとする。

そうして、一団が急ぎ王太子一行を追いかけるのを見送ったのだった。









馬車の中、ギルバートの気持ちは複雑である。いよいよ、ここからゲルトランを告発するんだという思いと姉がこのままでは幸せではないのではという想いが入り乱れている。


侯爵が、笑いながら、

「君が考えていることもわかる。まあ、ギルバート君が子爵となれば、シャーロット嬢も平民ではなくなる。いっそ、治療師ではなく大学で勉強して医師や研究者になると良いかもしれないぞ。私がバックアップしてやっても良い。」


と話しかけてくれる。


「え?本当ですか?そんなことが可能なのでしょうか?」


「ふふふ、なんとも言えないが、シャーロット嬢が今まであった中で一番頭が良い女性であることは間違いないな。我がゼオンの産業がここまで振興したのは彼女のおかげだ。正直、アーサー殿と結婚されるのは惜しいくらいだ。

このまま単に貴族のご令嬢として過ごすのは勿体無い」



「わかります。姉の知識、ものの考え方、すべて普通の人とは違うんです。

一つ問題があるとすれば、自己評価が低いことでしょうか?」


「ふふふ。13歳の弟に自己評価が低いと言われるのもどうかとは思うがな。まあ、まずはゲルトランを告発することだ」


「ありがとうございます。」





王太子殿下と侯爵の馬車を守りながら、馬を走らせていると、後方から早馬の地響きが聞こえてくる。すでに、ゼオンを出発して途中で1泊して、あと少しでゼオン領の領境に近づいているところである。


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