再度の襲撃計画
ピーターが待っていた。
「ピーター、大変です!捕虜がお礼にと教えてくれたの。実は、今回の攻撃は陽動で、もう一度油断したところで、襲撃する計画を立てていると。王都に、情報を流していたものがいたそうなの。」
「何ですって!そんな。もう、王太子ご一行は、ゼオンを旅立っているはず。急ぎ、追いかけて、護衛兵を増やさなくては!」
と走って行く。
ああ、アーサー、ギルバート、どうしましょう。もし攻撃されたら・・そして、アーサーとギルバートが死んだりしたら。・・
心臓が止まりそうになる。
ああ、アーサー、アーサー、ごめんなさい、あなたが死んだら私も生きていられないわ。お願い、怪我をしないで、生きていて。
もう居ても立っても居られない気持ちとなる。私は、馬鹿だわ。アーサーを愛していたのに、その気持ちに自分で蓋をして閉ざしてしまっていた。
どうしよう。ううん、絶対、アーサーたちを殺させたりしない。
一応、10歳までに乗馬も習得はしている、私も追いかけようと決心する。
馬の準備をしているピーターに声をかける。
「ピーターさん、お願い、私も馬に乗れます。一緒にゼオンまで行かせて下さい。治療師が必要になるかもしれません」
ケント領だと、領主の一家はお母様も、乗馬をするのが普通だった。なんせ、山なので、いざという時には、馬で移動することもありえた。実は、結構おてんばに過ごしていたのだ。
「え?先生、馬にも乗れるんですか?とりあえずついてこれなければおいて行きますよ。それでよければ。」
「わかったわ。」とうなずき、乗馬する。もともと治療師用の服はキュロットタイプとなっていて馬にも乗りやすい。
急ぎ、ピーターをはじめとする5人ほどでゼオンに向かう。
「本当についてきた。馬に乗れたんですね。」
とピーターにびっくりされたが、何とかゼオンに到着する。
侯爵家では、家令のノアが出てきて驚く。
「エミリー、いやシャーロット様、どうされたのですか?トーマスと戻ってくると思っておりましたが・・」
「ノアさん、大変なんです。捕虜が教えてくれました。実は、もう一度油断したところで王太子殿下を襲撃する計画なんだそうです。どうも、王都に内通者がいるらしいのです」
「なんですと!そんなことが…わかりました。すぐに、もう一団を向かわせます。王太子殿下ご夫妻もご一緒で馬車でいかれているので、急げば追いつくと思うのですが・・・どのあたりで襲撃するのかはわからないのですね。」
「そうなんです。そこまでは教えてはくれなかったわ。」
「とりあえず、うちの領土には兵が隠れていられそうな場所はないとおもいます。急ぎ追いかけさせます。」
「私も行かせてください。」
「いいえ、シャーロット様、ペリエからここまでくるのとは訳が違います。ここからは、本当の軍馬で早馬でいかなければ間に合わない。ここでお待ちください。」




