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疑惑


騎士団2

「やあ、ウィリアム、久しぶりだな。」



「アーサー様、ご無沙汰しております。この2年でさらにご立派な体格になられましたな。この度はこのような場所まで押しかけてしまい申し訳ありません。」



「構わん。毎日、毎日訓練ばかりでたまにはお前の顔を見るのも悪くない。シャーロットを思いだしてしまうがな。そもそも普段領の館にいるお前が王都までわざわざ来るのも珍しいことだな」



「アーサー様とお会いすると、シャーロット様を思いだしてしまう為 私も辛うございました。ですが、どうしても困ったことと、気になることとができてしまい伺いました。」



「話せ」


「実は、ケント領は今大変困った状態です。新しい旦那様が、税金を今までの5%から15%にあげてしまった為農民が疲弊しているところに農地の使用料というのを新たに設定されたのです。これでは、農民に死ねと言っているのと同じです。農民の意欲も削いだ上、館の庭師の給与も払ってくださらず、庭師が何人もやめてしまい、残っているのは、ハンス爺さんだけでございます。当然、ハーブ園の管理が行き届かず、お嬢様の大切にされていたハーブ園が荒れる一方です。」



「何と、噂では聞いていたがひどいものだな。そもそもその税率は国で認められていない税率だ。国につたわれば、罰を受ける可能性もあるレベルだ。」



「嘆願しても聞いてくださらないのです。大丈夫だの一点張りで。ただ、今回、私がこちらに赴いたのは、そのことよりも一つ気になることができたからです。」


「気になること?」



「じつは、先日男がタウンハウスを尋ねて来て、旦那様に足蹴にされておりました。旦那様に金の無心に来たようです。本人に聞くと、便箋と蜜蝋印のついた封筒を旦那様に渡したと言うのです。他家の封筒を手に入れるなんていうことは以ての外のことです。」


ウィリアムは顔をしかめる。


「ただ、私は、ふと、あの日のランバート商会からの手紙がきたことがずっと気になっているのです。あのあとランバート商会はそんなものは送っていない、何かの間違いではないかと言われましたが、もしやランバート商会の封筒を送りつけたのはいまの旦那様だったのではないかと。

無論、雨の日にそれで出かけたからといって土砂崩れが起きて亡くなるとは限りません。ですが、どうにも気になって。」



アーサーは、あの雨の日に出かけさえしなければ、シャーロットは事故に合わなかった。そうすれば自分たちは今頃幸せにと思うとずっと悔いていた。



「ウィリアム、教えてくれてありがとう、そうだな、関係ないかもしれないが、気になる。何れにせよ、貴族が他家の封筒を買収して手に入れるなんてもってのほかのことだ。こちらで調べてみよう。男の名前と場所を教えてくれ」



「ありがとうございます。私は、この後領に戻ります。旦那様にも男が無心に来たことは伝えております。そのうち、私もクビになるかもしれません。もうケント領はダメかもしれません。」



「できれば、シャーロットが大切にしていた屋敷と領をお前には支えて欲しいが….

もし、クビになって追い出されるようなことがあれば、ショーンに相談しろ。」



「ご厚情ありがとうございます。失礼いたします。」




「若…」


控えていたオスカーが声をかけると


「オスカー、聞いた通りだ。その男について調べてくれ。ウィリアムが話した場所に行って確認した方が良いな。その前にランバート商会にももう一度問い合わせた方が良いかもしれん。今回は自分も商会に行くことにしよう。」



「では、ランバート商会には明日時間を取るように伝えます。」


足早にオスカーは敬礼したあと去っていった。


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