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シャーロット3歳




「シャーロット、こんにちは。元気だった?」


「アーサーにいちゃま。きてくだちゃったのね。うれちい!」


やや薄めの金色のふわふわとした巻き髪を揺らしながらアーサーに走って駆け寄ってくる。


エミリーの本当の名前は、シャーロット・ミリア・ケント、ケント子爵の長女である。仲の良い両親でエミリーのことも可愛がってくれていた。自分よりも爵位が上だが親友だったイーズス伯一家とも交流があり、二人の間で約束していたのが、お互いに子供が生まれたら結婚させようであった。シャーロットが生まれたときには、4歳のアーサーと一緒にお祝いにかけつけてくれた。シャーロットは王都からは2日以上馬車でかかる領地で暮らしており、アーサーは嫡男として王都の館で生活しており頻回にいける場所ではない。半年に1回程度 シャーロットが王都にあるタウンハウスに両親と出かけたり、アーサーが領地に遊びにきたりしてその度に二人で一緒に庭で遊んだりして時間を過ごしていた。

そして、シャーロットが3歳となった時に正式に婚約者となったのだった。今年、ケント家にシャーロットの弟になるギルバートが生まれたことから、シャーロットはお嫁に出してもとりあえず大丈夫と考えられたこと、イーズス家はもともと騎士団長を何人も出している名門であり早めに婚約しておかなければ横槍が入る可能性が高かったこともあり比較的早めの婚約となったのだった。


「シャーロットは何をしていたの?」


「ハンス爺のお手伝いでちゅ。このハーブをつんでたんでちゅよ。かわいい小さい芽を摘んでくるのよー。」


ケント領は高原に属しており昔からハーブつくりが盛んでこれを一つの産業として多くの領民が収入を得ている。父である領主もその振興に熱心だったこともあり庭にはハーブ園が庭師によって美しく整えられていた。ちょうど、弟が生まれたばかりと言うこともありそちらに手がかかることからシャーロットは比較的使用人と一緒にのんびりした生活をしていた。


アーサーは、笑いながら

「へえ、何のハーブなのかなあ?」

と尋ねると

シャーロットは、

「こんな匂いのするハーブなのよー」

とためらいもなく自分の両手をアーサーの鼻元と口元に突然もってきた。


「これはミントってゆうのよ。すっとするでそ?」


突然、自分の口元に可愛い手がやってきてアーサーはびっくりしたが、笑いながら

「本当にスッとするね。いい匂いだ」

と言いながらこっそり手のひらにキスをした。


その意味のわかっていないシャーロットは

「よかったあ。にいちゃまが気に入ってくだちゃったわあ」

と素直に喜んでいる。


アーサーは笑いながら

「シャーロット、これからは僕をにいちゃまと呼ぶのはやめて、アーサーと呼んで。」


シャーロットは驚いて

「アーサーにいちゃま。シャーロットのにいちゃまじゃなくなるの?もう会えなくなるの?」

と泣きそうになりながら、鶯色の目をパチパチしながら聞いてくる。

アーサーは慌てて

「そうじゃないよ、シャーロットとは大人になったら結婚してずっと一緒にいる。お母様はお父様のことをお兄さんとは呼ばないだろう、名前で呼んでいるだろう?それと同じだよ。」

と説明する。


「わかったわ。大人になったらおとうちゃまとおかあちゃまみたいになりゆのね。いっちょにいるのね。わーい、うれしい。ずっといっちょ。」

シャーロットはふわふわ踊りながら喜ぶ。


「じゃあ、そろそろお屋敷に戻ろう。ギルバートとも会いたいからね。」


「はい、アーサー。ギルバート、とっても可愛いんですにょよ。」


アーサーは心の中で可愛いのは、シャーロットだと唸りながら手を繋いで二人で館へむかったのだった。


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