6月30日
6月30日
愛する婚約者様
今日は王都の外れにやってきました。
授業か終わり、リリーやマルクには先約があると分かれてきました。
秘密で学園を抜け出して、目指したのは”王都の無法地帯”。
実はもっと早く行きたかったのですが、試験の予定や自分の決心がつくまでここまで1カ月もの間が空いてしまいました。
バスケットにパンを沢山詰め込んで、うる覚えな記憶の道のりをたどります。
今回は目立たないようにローブも羽織っているので大丈夫です。
ですが、正直あの時は無我夢中でしたので通った道など覚えていません。
街の雰囲気がだいぶ怪しい所まで歩いていきました。
まだ日の光がありますが、変に入り組んだ道を進むには躊躇してしまう雰囲気がありました。
近くにいた男の子に”ルカという男性を探している”と尋ねるとあからさまに私に対して警戒をしてきました。
『リーダーになんか用?ていうか、誰アンタ』
私はその時なんと言ったら良いのか分からず、”パンを差し入れに来た”とバスケットの中身を見せました。
すると目の前の男の子は私の腕をつかみ細い道を駆け出しました。
『リーダー、パンが来た!!』
小屋のドアをいきなり開けて私を押し込めます。
私が探していたルカは本と薬草を机の上に広げて何か作業をしている用でした。
高い身長に対して体重が足りていない細い体を私に向けるとニコリと笑いました。
『いつかのお嬢さん』
『知り合いなの?リーダー』
『まぁちょっと。ここら辺に来るタイプの人間じゃないからよく覚えてるよ』
”差し入れです”と私がバスケットを手渡しました。
ルカが唐突にドアを開いて外に『パンあるぞ』と呼びかけると、何人もの子供たちがわらわらと小屋の中へ入ってきました。
『今いるのは低学年、上の子たちは働きに出てるから』
小屋の中は小さな子達が騒ぎ騒がしくなりました。
『何もないけど好きにして』
あっという間に持ってきたパンは無くなってしまいました。
ルカはまた椅子に座ると中断していた作業を進め始めました。
私はあなたにも食べて欲しかったのですが。。
また次回はもっと多く持ってこようと思います。
マリー




