5月30日その2
街灯もない道の隅で、うずくまって泣きました。
せっかくダンスの相手も決まったのに。
『だいじょうぶ?』
『見たこと無い人だね』
その姿は周りからは異様に映ったのでしょう。
子どもたちが私の周りに集まってきました。
その時の私は転んで泥だらけで、
更に泣いてもいたので酷い状態だったと思います。
私より小さな子どもたちは見ず知らずの私に、泣かないでと慰めてくれました。
なんて情けない。
『この子、お金取られたみたい』
『お腹空いてるんだって』
『貴族の侍女みたいだ、怒られるから帰れないんだって』
『リーダー助けてあげようよ』
小さな子どもたちはいつの間にか”リーダー”と呼ばれた青年を連れてきました。
彼は子どもたちのボス的存在のようです。
背は高いのですが、貧民街の住人特有の肉付きの無い体。
腕も首も骨格が分かるほど細かったのです。
彼は”ルカ”と名乗りました。
私は彼を亡霊のように思い恐れましたが
ルカは汚くうずくまる私の姿を哀れみ、同情していたのです。
『食べ物と寝床でも分けてやれ』
ルカは持っていたパンを分け与えてくれました。
子どもたちに手を引かれ、
雨がしのげるだけの”寝床”に案内されました。
明かりは外から漏れる月明りのみです。
今私は無法地帯と言われた場所で、一夜を過ごすことになりました。
惨めです。
マリー




