表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/54

33.学校

「先に、学校を見に行くか。アリシアナ魔法学院と、フェリア騎士養成学校にしよう」

「有名なところなの?」

「あぁ。全国から様々な人が集まってくるし、留学生として外国からくる生徒もいるからな。中等学院、中等学校でまず進学候補に挙がるのがこの2校だ」

 おぉ、かなり有名、そして人気。そこはかなり気になるなぁ。この2校はかなり近い位置にあるらしい。と、いうことで、カイリくんに案内してもらいながら裏世界の学校について教わることにした。

「まず、学校にもいくつか種類がある。何を教えるか、何を目指すかによって、色々学校によって変わってくる」

「例えば?」

「アリッシアの中でもメジャーな……魔法学院と騎士養成学校を例に説明すると、魔法学院だったら最低限魔法戦闘がこなせるようになること。騎士養成学校はその名の通り、国家所属の騎士になること。また、大体魔法学院に入る人間の半分近くは、卒業後に騎士団と対等な立場にある魔法士団、もしくはその上の精鋭部隊へ入団、入隊することを目的としている。将来安定、という点もあるんだろうな」

 魔法と剣、どっちの方が……っていうまでもなく、魔法の方が圧倒的に便利だし強いと思うんだけど……それなら何で騎士団があるんだろう?

「魔法士団ってのがあるなら、騎士団はいらない気が……」

「いや、必要だ。表世界で言う警察の役割があるからな。魔法士団は、それなりに大きなことでもないと動かない。普段は何かあったときのために、とか言って毎日のように訓練してる。精鋭部隊に任せるまでもないが、騎士団には厳しい相手なんかに出動するんだ。中型の変異獣とかな」

「なるほど……」

 大型獣は精鋭部隊、中型の変異獣は魔法士団、それ以下の事件、事故なら騎士団と、役割がしっかり分かれているわけか。ちゃんと組織ができている。

「加えて、魔法士団がいちいち細かな荒事に顔を出してたんじゃ、相手も怪我をする可能性がある。下手すれば、そいつが死ぬ」

「死ぬ……?!」

「卒業し、試験に受かったとしても……まだ戦闘経験が足りないし、魔法の威力の加減を間違えればそれで終わりだ。咄嗟に使ったならなおさら、上手く調整できるとは思えない」

 ……騎士団なら基本的に交渉が効かなかった場合、自分の力で押さえつけるから、加減は簡単だし、怪我をしても最悪骨を折るくらいで済むだろう。でも、魔法となればそうもいかない。攻撃系統の魔法を使ったら最後、良くて火傷や気絶、悪くて死。確かに、騎士団は必要だ。

「それに。魔法士団の数は相当少ない。騎士団の十分の一くらいだから、それだけの数で治安を回そうだなんて無理がある。必ず、どこか見逃すところが増えていって、確実に治安が悪くなる」

「え、でも……魔法学院に入る半分くらいは目指すんでしょ? それなら、もっといてもおかしくないんじゃ?」

「いや、確かに俺はさっきそう言ったが……。あくまでそれは、目指す人間の数であって、実際に入れる数は少ない。入れるのは……500人受けて、せいぜいそのうちの10人程度だろう。全員が全員、入れるわけじゃない。ただでさえ、魔法士団の入団試験はかなり厳しいラインなんだから」

「50分の、1……」

 恐ろしい倍率だ。そこまで難しく、狭き門を潜り抜けた集団なのだから、相当強いんだろうなぁ……。と、考えていたら。

「……言っておくが、魔法士団の実力はそこまで強いって訳でもない。レイラに比べてもまだまだだ」

「……え? レイラちゃんに比べて、まだまだ……? そんなに……?」

「……レイラもこの国の中ではかなり強い。精鋭部隊の奴らに並ぶか少し上ってところだ」

「マジか……」

 てっきりまだ、私たちなんて弱い方なんだと思っていた。基準から見ればかなり強い……か。だとすると、この国の教育機関、この場合の魔法学院は、かなりしょぼいんじゃ……?

「ユイやレイラたち王族が強いのであって、庶民にはいきなり魔法を使えたりだとか、構造を理解したりだとか、普通出来ないからな。庶民のレベルに合わせると、魔法学院の授業内容は、どうしてもそのくらいになってしまうんだ。まぁ一応、特進クラスというのはあるが……あれはあまり意味がない。貴族しか通えないから、庶民の中に才能の眠ったヤツがいても、才能が花開くことはなくなる」

「なんで貴族だけ……?」

「……ユイ。なぜ貴族という立場があるのか、どのように選ばれているか、知ってるか?」

「知らないよ。何か、このことに関係あるの?」

 一瞬だけ目を伏せ、カイリは言った。

「あぁ、ある。表世界ではすでにほとんどなくなっているみたいだが、裏世界には、欠かせない存在だ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ