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23.魔石

「えっと、ちなみに……魔力尽きたらどうするの?」

 ふと、気になったので練習を始める前に訊いてみた。

「そうなったら~、これを使うよ~」

 そう言ってレイラちゃんが取り出したのは、宝石のように輝く何かの石。かなり小さく、どこかの古い駐車場にでもありそうなサイズの小石だ。これは……銀? かな。

「じゃん! 加工済みの魔石、もとい銀!」

「やっぱり銀か。でも、加工済み? っていうか、どう使うの、それ」

「これはね~、魔素を貯めとくことが出来るんだ~。それで、魔力が10%くらいを切ったら、逆に魔力を少し流すの。そうすると、もともと貯めておいた魔素を自分の体に供給できるようになってる。……ただ、城の魔法機関と、許可の下りてる数箇所にある補給装置でしか貯められないから、使い勝手は悪いんだけどね。それに、魔力が完全に無い時だとか、魔法を使ってる最中とかには使えないし」

 それ、何気に危険な気がするけど……悪用とか大丈夫なんだろうか。あと、加工については……?

「……銀は鉱石の中で最も魔素に反応しやすい。加えて安価であることから、魔素貯蔵石、通称魔石に良く使われる。見た目も綺麗で実用性も高いから、あのケイも気に入って、そのまま国家の象徴にもしてしまったほどだ。そして加工というのは、銀鉱石を磨いて綺麗にした後の、魔素貯蔵加工のことだ。そのままの意味で、魔素を貯めやすくするための加工だな。魔石の定義、最低基準としては、この加工がしてある鉱石であること。鉱石なら何を使っていてもいいが、基本的には使われている鉱石の名を記すことが義務付けられている。一般的に、庶民も貴族も皆使う。価格は標準的なものだと大体、表での映画鑑賞券一枚と魔石一個が同じくらいか」

「詳しくありがとう……。でも、それって悪用されないの?」

「対策は既に色々とされているからな。例えばこれは表じゃ使えないし、それにさっきレイラが言ったようにかなり使い勝手が悪い。考えたやつはいるかもしれないが、今まで成功した事例は一つもないはずだ」

「なるほど……」

 つまり悪用できるほど使えるものではないってことか……。でも、便利なことに変わりはない。せっかくレイラちゃんが用意してくれたんだし、ありがたく使わせてもらおう。

「ま、そんな話は置いといて。じゃんじゃん始めちゃお~。あの壁に掛かってる的を狙ってね。狙いが外れても大丈夫、この訓練場は頑丈だからね、被害は気にしないで!」

「分かった! よし。じゃあ、とりあえず……っと」

 手始めに光の槍っぽいのをイメージして飛ばしてみる。うーん、やっぱり周りの魔素がごっそり減った気がするな……。

「ユイ、もう少しイメージを細かくしてみてくれ。……そうだ、昨日の隠密型の電撃の感覚でいい」

「あの……うん、やってみる!」

 周りに浮かぶふわふわした魔素が、最低限の力で集まり、光へと変わっていく様子をイメージしてみる。これでどうだ?

「うんうん、一回でこれだけ改善できるんだね~。やっぱ凄いや、ユイちゃんは。……ささ、もっかいいってみよ~!」

 まだ減らせるはず。もっと細かく……っと。

「おぉ~、いいねいいね! よし…………じゃ、ちょっと待ってね~……」

 レイラちゃんは訓練場の奥にある机に向かっていった。

 十数分後。

「おっけ~! ……はい、これ」

「えっと……?」

 レイラは何やら一枚の紙のようなものを差し出してきた。何々……練習メニュー? 内容は……え?!


☆練習メニュー☆

・魔素変換による輝石生成×30

・光系統魔法 (イメージ)50発×2

・耐石破壊×10

・小的当て×50


「……どういうこと?」

「簡単に言うと~……ユイちゃん、まだこっちにいるでしょ? だったら帰るまでの期間毎日、このメニューで練習をしてもらおうかな~、と」

 ま、毎日……キツくないかなぁ……。内容がそもそもあまりよく分からないから、どのくらいの時間がかかるのかも想像つかないし……。

「ふむ……いいんじゃないか? ユイにはちょうどいい量だろうし、大体かかっても2時間くらいだろう」

 2時間……?! それでも十分かかるよなぁ……。ま、半日とかかかるよりはマシ……か?

「一日のうちのいつにやってもいいし、順番もやりやすいように自由でいいよ~。ただし、毎日続けてね。えっと、大体……2週間ちょいくらいかな? 頑張って!」

「頑張ってって……はぁ……まぁ、頑張ってみるよ」

 とりあえず2週間だけ続けてみて、どれくらい上達できるのか楽しみだなぁ。

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