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「……ただいま」

 ……やっと、やっと戻ってきた。ここに。

 皆が寝静まった真夜中。(けい)はそこにいた。

 だいたい1年ぶりだろうか、ずいぶんと家を空けてしまった。念のため確認に来たが、どうやらいらぬ心配だったようだ。

『良かった。狙われてはなさそうだ』

『えぇ、とりあえず一安心ですね、主』

 今は指輪の姿をとっている、従者のリンが持ってきた情報は、どうやら正しかったようだ。この家から感じ取れる魔力は、間違いなく結衣のものだった。

『ですが……今は接触は危険と、私は判断致します』

『あぁ、僕もそう思う。今日は、少し確認しに来ただけだし……』

 ……実は、現在蛍とリンは追われている。帝国の、国家所属の秘密部隊に。

 ……まったく、酷い目にあったものだ。暗殺されかけたとはいえたった数人、そう思って狭間に誘いこんでみれば、何十人もの敵が待ち伏せしていたのだから驚いた。

 全員相手をするのも面倒だったので、一発デカいのをぶちかまして倒してきたはいいものの、一瞬であのレベルの魔法を行使するのは、流石に少し負担が大きかった。身体がこんな状態では、しばらくは魔法は使えないだろう。

 もしかしたら奴らがここまでやってきて、結衣の方を狙わないとも限らない。その時、自分は結衣を護ることが出来るだろうか……? それはおそらく難しい。あともう少し、力が十分に戻ってからの方が安心だ。今はそっとしておくのがいいだろう。

(……久しぶりに、会いたいな……。でも、今は我慢しなきゃ……)

 蛍は、こみ上げる思いを堪え、その場をあとにした。

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