決断、そして代価。
どれくらい時間が経っただろうか。
緊迫した状態な上に真っ白な空なので時間が分からない。
何体か倒したものの、カノンも私自身も相当な数のゴブリンの返り血で濡れてしまった。
すると、ここで提案が。
「敵戦力はかなり削ったと思う。アリス、一気に私の合図と共に森の外側…北か。左前方まで走れ!」と言われて彼女は短剣をそちらの方へと投げる。
カノンの愛馬の方へと一気に走り抜ける。
必死に走った。そう、背を向けて…。
馬の近くまで投げるとカノンの傷の様子が伺える。
背中を向かい合わせにしてた時よりも明らかに傷が多い。
肩にも矢を受けているじゃないか…。
カノンに「ごめんなさい、私が失敗したから…」と言って心配していると、カノンは微笑みながらも苦痛に耐えている。
「アリス、矢を抜いてくれないか?傷を手当てすればきっと良くなるさ。」と言われたので背中の矢に触れる。
「いいから早く抜いてくれ!この状態でいるのも苦しいんだ!」と言われ、私は「ごめんなさい!!!」と言い一気に引き抜く。
血が吹き出る。ドクリドクリと。
その色は真っ赤な濃い赤をしている。
そんな光景に目を奪われるものの手当てをする。
あくまで応急手当てのようなものなので近くの休める場所できちんと処置をしないとまずい。
そう思い私達は森を抜ける為に歩みを進める。