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その瞳に映る色は何色か  作者: 乃月美優
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はじめての仲間。

『色』を失った世界には、影は存在しても夜が来ないのだ。

常に空は白いし、白の中でも雨は降るけれど光を失った空は訪れない。

そんな村での生活を思い出していると、青髪の命の恩人は「カノンと呼ばれてるよ。」と突然話し出す。私は先ほどの状態から咄嗟に自己紹介をしていることに気付かず、「カノン…?」と聞き返してしまう。

「そう、それが私の名前、青の国の元騎士さ。」と言われて始めて彼女が自分がどんな名前、身分であるかを語ってることに気付く。

「私は…」と言いかける、と手紙をヒラヒラと揺らして「不思議の国のアリスだろう?」と一言で済んでしまう。

「色喰みは影のない白い場所を好む。昔は野獣などに狙われてしまうからと避けていた森の中が安全なのだけれど、異論はあるかい?」と聞かれ私は「左も右も分からないので落ち着ける場所で是非色々と教えて頂けると…」と返答するとカノンは「よろしい。私の知る限りのことを全て教えよう。」と返事が返ってくるので、私達は周囲を警戒しつつ影の多い森へと向かう。

森へ入ると、そこは獣道ばかりで平和に過ごしてきた私には到底触れることがなかったと思われる道へとカノンは入っていく。

進んでいく中、皮膚を裂くような痛みに襲われるが今は安全地帯の確保を最優先する為に歩く。

こんな道をカノンは潜り抜けていく。

そして開けた木々の立っているどこか薄暗い場所へと出る。

カノンは「ここまで来れば色喰みも追ってくることも無いだろうから、ここで説明しよう。」

焚き火を作りつつ話し続ける。

「色喰みは、この世界の『色』が失われ始めた時から魔物に擬態し、『色』を喰らいつつ私達の領地を白に染め上げ、ついには空の色まで変えてしまった。希望的な行動かもしれないが君のような助けを求める色持ちの人をかき集め国を問わず招集し、絶対に『色喰み』の本拠地を探し出しその場所を叩く。」とカノンは伝えてくる。

しかし私は粘着質の小人にも敵うはずもなかった。

私みたいなのが戦力になれるのだろうか?と思った矢先、カノンはこう続ける。

「アリス、君は「不思議の国アリス」としての影響力が強い。そんな仲間達が集まれば必ず『色喰み』とも戦えるようになるはずだ。」と言われる。

私は自信が無いものの一度失いかけた命、仲間になって何が出来るかは分からないけれど精一杯の恩返しになるように努力しよう。

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