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青の国から出てすぐの話。
赤の国へと向かうと言っても、相手側からしたら別の国からの来報だ。それなりの交渉の場にありつけないと受け入れられすらないだろう。
今回は赤の国への入国申請書を発行し、アポイントメントを取ろうとしている。
そうすれば国のトップとの対談の席も設けてもらうことができるであろう、いうことも想定して火酒を積み荷として馬の準備をする。
馬を走らせつつチェシャに話しかける。
「赤の国は鉄の茨で覆われちゃってるのではなくて?」と問いかける私だけれど彼女は「私は透明になれるからその後をついてきてくれれば大丈夫よ。」とチェシャは言い放つ。
透明になれるってこと・・・?と戸惑いつつも向かう馬車。
カノンは「こんな作戦で赤の国に行くことができるのか?」と聞いているカノンにチェシャは「かの女王は話は通じる相手だったはずよ。もちろんあの方への影響が『色喰み』の侵食が無ければ、の前提ですが。」
とまで語っている彼女たちだけれどあの方ってどんな方なのでしょう?
気になりつつも私は馬車に揺られ意識を落としていく。