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作戦の行く末は。
カノンが「怪しい…」と言いつつも、騎士団の1人が拘束した護衛兵が持っていた槍で扉を開ける。
すると…もぬけの間ではないか。
よくよく考えれば当然だ。誰も指揮のとらない兵士の配置。城内はハリボテの警備。不満が溜まっていても無視する王政。
カノンは「騙されたっ!」と怒りを露わにしているし、他の騎士団も残念そうな顔を浮かべている。
私にはこんな言葉しかかけられないと思いつつも「良かったじゃないですか!誰も血を流さず終わって明日からは生活に困る人も減り、新しい騎士団が組まれるわけですから!」と言うと一瞬だけ皆が黙り突如笑い出す。「流石は『不思議の国のアリス』だ。」とカノンから声がかけられる。
「明日からのことは考えずに、今日はギルドに戻ってある意味成功してしまった作戦の打ち上げと行こうか!」とカノンが活気を上げ騎士団を盛り上げる。これからみんなが苦しまない生活が来るんだね。