Prolog
転生した、と思う。
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事故に巻き込まれるも、軽傷で済んだ。捻挫という、悪い軽傷で。
勿論、病院に行って、慰謝料貰いました。
会社にも、しばらくのお休みを貰いまして。
食料調達が出来るようになってから、会社に出勤する途中、またしても事故に巻き込まれましてね。
病院の先生方には、呆れられた。
頭打っただけで良かったですね〜...じゃないよ!
全然無事じゃないよ?
私の生活費どうなんの?
いやぁ、数年は遊べる貯金はあるけどね?
慰謝料貰えたけどね!
会社の人達からは、ポカン顔を貰ったけどね!
でもさぁ...こんな短期間で2度ある事は...って、本当にあった。
洒落じゃなくて。
あぁ...なんで、救急車に跳ねられたんだろう…
いや違う。
救急車に突っ込んで行った馬鹿がいて、事故に。
しかも、突っ込んで来た先が、コンビニ。
コンビニ帰りの私の顔や頭や背中に、めっちゃガラスが飛んできてね。
あぁ...こんな事になるんなら、一人暮らし、もっと満喫すれば良かった。
会社、出来るだけ休めばよかった。
遊んどけばよかった。
な〇う作品、気になるの全部、読んどけばよかった。
気になるアプリゲームに課金しとけば良かった。
生死には…後悔ばかりだ。
あぁ…二次創作から足洗ってて良かった。
乙女ゲー卒業してて良かった。
貯金してて良かった。葬式代はそこから出してね?
親より先に行く事、ごめんなさい。
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目覚めたらソコは…って、転生モノにはよくあるよね。
でも、私としては、出来れば... 意思ある物には生まれたくなかった。
水とか酸素、空気、火...意思のない物に、転生したかった。
異世界?何それ美味しいの?
チートが出来る出来ないによって、大分違うのに?
男が女になるのも、女が男になるのも、結構苦しいのに?
まぁ、TS要望がある人には、美味いんだろうけど。
それでも、身分とかカースト制度とか、ホントに面倒臭い。
オマケに言うと、その異世界の事を知ってるか知ってないかで、
何をすべきで、何をすべきでは無いかの判断をも問われる。
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生があるから、死があり、死があるから、次の生へと繋がる。
コレ、輪廻転生。
けど…
「死んだ」と云う意思があるか無いかで、地縛霊になったり、それが拗れて、悪魔になったりされたり、
挙句の果てには、「神様」と云うモノが存在する事になるのだろう。
私が死んだ場所からそう遠くない所に、神社があったのが、転生の兆しになったのだろう。
いや、毎年5回以上は神社に参ってたから、の方が強いかな?
神様と言っても、迷える子羊とかの方じゃないよ?
しかし、ふんわり、ふわふわとした光の中にいる。
あー、死んだのかぁ…って、改めて気づいて、泣くに泣けない存在になったのだと、意識する。
転生するのかな?って自問自答。
神様の存在が、小説とか漫画の様なものでは無い、と云う事がよく分かる事例だ。
光と闇のどちらが私に適していたのか、私の意識が死の間際でどちらを選択していたのかー
それをもって、転生するかしないか、を自分で決めるのだ。
それが、過去未来どの次元に生まれるのか…は、分からない。
ゲームに転生?とかは、その...死んだ時に、圧倒的割合で意識にあるかどうか…で、決まるのも、自分次第。
誰かに言われた訳じゃない。
なんかスルッと、自分の中で"それ"を感じた。"その個人の倫理、価値観、宗教観"だという事。
次に転生する際に、前の私の色を"どれだけ"残すかどうかも、自分の采配だという事も。
そしてソレは────
人はどうあっても人である限り、意志無き者には、転生出来ないという事。
どうしてこうなった。
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ふわふわふわふわ、漂う事数時間...数日?数週間?月間?年間かな?
いい加減、時間感覚がおかしくなり始めた頃、なんの出会いもない事に気付く。
自分の意思だけでは決められないと、決断する事もあれば、出会いも何かの示唆では、と思い始めた。
そう、思っただけで────鮮やかな色の、世界が見えた。現れた。
古代から現代まで、どの世界に生きるか、また日本に生きるか、別の場所で生きるか、
それとも────理想郷に生きるか…
とりあえず、理想郷は無い。
ゲームに転生...の枠も、既にない。
ゲームに近い世界は、寄り合わせて、自分の意思をとどめる事だけは出来るらしい。
が、その場合、魂が他の魂にパックンチョされる危険がある。
それ即ち、魂がパックンされたら意思も消えて、そこまで。
無い。ダメ。次。ていうかもう寝たい。
あ、違う、今寝れない。今寝たら、魂パックンされる。
その場合どうなるのかな、と考えて、ブルブルっと震えた。
もう何でもいいかな、なんて考えた瞬間───何かと目が合った、気がした。
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電撃が走った…気がした。
どうしてこうなった。
古来より神は…そうか、全て、妖精の成り上がり。
妖精は神の一部であり、神はその一部から、妖精を作る。
つまり、神も妖精も同じもので、多種多様だ。
異世界転生である。
前の世界と、限りなく近い世界で、神話から展開していく話だが…
同じ様な存在には、個性も役割もある。ソレは必ず、絶対。
そして、私の役割は...【代理】
結構、色んな処に駆り出される。
それこそ、転生するかしないかの判断を下せない人とかを判断する神の【代理】とかね。
生きる物全ての神の【代理】
.........ソレはつまり【雑用】と言わんばかりの…
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