第3話 死んだんじゃないんですか? 中編
…「今は…だ」
お爺さんが私に放った言葉が私の頭の中をループしている。
…ていうか、「今は」ってどういう事ですか?
その後に生まれ変わるって言うんですか?
「私、一体何なんですか!」
といつの間にかお爺さんに向かって声を出して言っていた。
お爺さんは一瞬固まっていたがすぐに動き出し、私の所に早足で歩いてきた。
しかし、先程のドヤではなく鋭い目つきで私に近づいてきた。
私は恐ろしくなり一歩後ろに下がり、
「な…何でしょうか?」
と、お爺さんに恐る恐る聞くとお爺さんは私の顔を覗き込み
「お前さん…ほんとに何も分かっていないのか?」
と、鋭い目つきで私を睨みつけ聞いてきた。
私は、お爺さんの鋭い目つきよりお爺さんの言った言葉が気になった。
「何も分かっていない?」
と、声に出しお爺さんに問うとはお爺さんは睨みつけるのをやめ顔を背けて
「こいつは一体どういうこっちゃ…こんな事有るわけ…試しにアレを使うか…」
と、言うと腰にかけた風呂敷を広げて何かを取り出し、私に差し出した。
急に私に差し出し、取っていいのか迷っていると
「はよ取れ」
とお爺さんがちょっと怒れ気味で私に言った。
私は、怪しいなぁー思いながらお爺さんからそれを取った。
差し出した物を見ると、ネックレスのような物で中を開くと汚くなった鏡が入っている形式だった。
…何だろう?これを見てると何だか不思議な気分になる…
と、思っていたらお爺さんに
「お前さん、この鏡をよく見るんだぞ、いいな」
と、深刻そうな顔で私に言った。
…この鏡をよく見ろって言われても、こんな汚かったら何も映らないんじゃ…
と、思っていたその時だった。
あんなに汚くなった鏡が一瞬にして綺麗になり、私が映った…
…だけど、映っていたのは顔が青白く背後から何かが出ている…バケモノが映っていた。
遅くなりすみません。少し長いですが、中編は終わりです。次回は後編です。