驚いても油断はするな
「はぁぁぉぁ!」
バンッ!!!!!!!
背負い投げの一撃は着地地点にあったテーブルを粉砕し、彼女を背中から地面に叩きつけた
「かっ.....はっ.....」
苦しそうに息を吐く彼女を上からのぞき込み、その首根っこを掴むと、彼女の足が着かなくなるまで持ち上げる
「おい、アンタに聞きたい事が一つある。 テメェ...あのナイフの技術、何処で手に入れたぁ?」
かつて無い殺気、敵を見るような目で彼女を睨んだ
「............。」
返答はせず、苦しそうに足をばたつかせながら今にも気を失いそうな虚ろな目で黒沢を睨む
「何だ、知らないのか」
「───っ!?」
彼女は『何故分かった!?』といった目で黒沢を見る
「あ~何で分かるかって言うとだな、人間は質問に対してYESかNOのときで呼吸や鼓動が変わるんだよ、まぁその違いってのは普通機械とかで判断するもんなんだが....まぁいっか、お返しに俺の秘密も教えてやるよ、こっちの方が早い。 確かに俺は他とは違う、だいぶ昔に体を改造されてな....人間の五感の内の一つ....『触覚』、これに関しては俺は人類最強だ....」
そう、人間の五感の一つである触覚、黒沢はこの感覚器官が尋常ではない、黒沢はこの触覚を活かし、機械でしか読み取れないような呼吸や鼓動の変化に気付いたのだ
「なぁ....黒沢くん...終わったなら...助けてくれ...早く...止血を」
あ、忘れてた
「今井議員すいません、今やりますね」
首から手を離し、咳き込む彼女を後に議員の止血を始める
「にしても君...噂以上の強さだね、あの殺し屋を倒すなんて」
「アイツのこと何か知ってるんですか?」
「ああ...あの女は世界でも名の知れた暗殺者じゃよ」
「へぇ、暗殺者ね」
「そうじゃ.....痛!」
応急処置ではあるが刺さっていた刃物を抜き、血を止めることには成功した
「ありがとうな、痛みを紛らわすために話しかけてくれて」
気づいていたのか、この爺さん
「何かお礼をさせてくれ」
またも予想外な発言、仕事だからしたまでだが.....どうせなら言葉に甘えて
「それじゃあ一つ質問いいですか?」
「そんなんいいのか? 何でも聞いてくれ」
黒沢はこの仕事を引き受けたときから気になっていた質問を投げかける
「アンタ....ここで何やってたんだ?」
頑張ります、お願いします