とっさの判断はいつも大切
「今井議員...」
腹部の出血が酷いが今の状況じゃ手当すら出来ない、だがこの島にはこの三人以外人はおらず、助けは確実に来ない
「クソ!...」
彼女はこちらの考えに気づい様子で、ダガー状のナイフをこちらに向ける
「観念する、正しい、大丈夫、楽に、殺す」
「舐めんな! 金髪がぁ!」
黒沢は腰から十手を抜き、跳躍した
「...ウソ!」
「おらぁ!!」
カキンッ!
4mほどあった距離を一蹴りで跳躍した黒沢に驚きながらも、横に振りかぶられた十手の一撃をナイフを逆手に持ち、受け止める
「スゴい力、化け物!」
「言ってろ!!」
ドスッ!
「ゴフッ!」
黒沢の回し蹴りをもろに食らい、彼女は勢いよく吹っ飛ぶ
「....っ! はぁ....はぁ....まさか、アナタ、強化..人間?」
強化人間....? 聞き慣れない言葉だ
「.....何のことか分かんねーよ」
「そう、ですか」
そう言い残すと彼女は、気絶したように...カクリッと顔を伏せる
「....やっと片づいた、にしても誰だこのロシアじ..」
シュトッ!
突如、彼女の持っていたナイフの刀身が黒沢の顔面目掛けて発射された
「うぉっ!」
瞬時に顔をそらせたが刀身は左頬をかすめ、そこから血が流れるのを感じる
「痛っ...!」
「今の、避ける、やはり...化け物!」
彼女は顔を上げ黒沢を睨む、その目は瞳孔が開いており、顔は...口角を上げ、凶人のように笑っていた
「殺す!!!」
彼女の一言に含まれる殺気と闘志に動揺する、だが黒沢も左手で頬を押さえ、右手で十手を構える
「来いよ、やられる前にやってやる」
「....」
だが彼女は何も喋らず、その体制のまま、刀身の無いナイフを黒沢に向けていた
「は? 何やっ」
ザクッ!カチャンッ!
「がぁぁぁ!」
後ろに飛んでいったはずの刀身が、勢いよく彼女のナイフの柄に一直線で戻る、その際に刀身は黒沢の左肩をえぐっていったのだ
「何だよ、そのナイフ!」
「日本では、スペツナズナイフ、呼ばれてます、刀身、戻るのは、特別製です」
彼女は立ち上がり再びナイフを黒沢に向ける
「形勢逆転、死ね、化け物」
頑張ります、お願いします