ボディーガードって、ここ交番ですよ?
廃工場での事件から翌日、黒沢は事件解決のニュースを交番のテレビで見ていた
『最も危ない街、戦乱街の廃工場で監禁事件がありました、被害者は大手企業の社長、田中 祐介氏であり、犯人達の拷問中に祐介氏を捜索していた警察官が犯人達を確保したようです。では次のニュースです』
「うん、俺の名前出てない...」
そう、たとえ犯人を逮捕したからといって有名になるわけじゃない、ニュースでは本名ではなく警察官として公表される
「まあ、俺が逮捕したって知ってるのは...犯人か警察の奴らだけだからな...依頼こね~な~」
最も危ない街、戦乱街この街では必ず何かしらの事件が起こる....だが依頼は来ない、これは確実に知名度の問題である
「どうやったら仕事増えるかな~?」
プルルル~ガチャ
「はい、警察です事件ですか?」
『これは交番勤務の黒沢剣太郎、元気そうで何よりだ』
「何でアンタが電話かけてんだ」
この男は瀬戸 太志、黒沢とは軍にいたときからかの仲、詳しいことは知らないがそれなりに権限のあるおじさん
『仕事の依頼だ、警視総監からのな』
「警視総監! おいおいこちとら街の交番勤務だぜ?」
『たとえ交番勤務だとしてもお前には戦争の功績がある、それに廃工場の件でもお前の評価は上がったらしいがな』
あの事件が少しでも知名度を上げてることが分かり、少し安堵する
「そうか...で? 何の仕事だ?」
『ちょっと嬉しそうだな』
「うるせぇ!さっさと仕事の内容を言え!」
『今井議員のボディーガードだ』
「は?」
いきなりの大仕事に黒沢は固まった、今井議員と言えば、戦争の被害で崩壊した都市に多額の寄付をし続けてることで有名だった...まあ、その金の出所は定かではないが
『聞こえなかったのか?議員のボディーガード』
「聞こえてるよ! 何?命狙われててんの?」
『そのことはお前は知らなくていい、やるのか?やらないのか?』
瞬間、黒沢の脳裏にある考えが浮かんだ
議員のボディーガード→守り切る→さすがに名前がでる→知名度up
「やろう!!!」
『それじゃ至急本部へ来てくれ説明はそれからだ』
「分かった、それじゃ」
ガチャ...
「戦争での功績か...」
戦争中の記憶......いい思い出ではなかった
頑張ります、お願いします