優しくされると辛いときもある
あの後議員の電話で救助を呼び、呆気なく帰れた黒沢達は暗殺未遂の事で事情聴取を受け、今それが終わったところだ
「長すぎだろ....事情聴取....」
あ...瀬戸....
「黒沢...今日の事は...済まなかった」
コイツが謝るとは...珍しいな...
「いや、もういいよ一服盛った件は、議員からの指示だったんだろ? そういうの逆らえねえからな....」
今回の事情聴取は仕方ない、救助を呼ぶ際に理由を言わなければならなかったため、議員と交わした条件は変更させてもらった
「そういえば、お前は犯人の顔を見てないのか?」
「見てないね」
「戦ったんだろ?」
「パイロット用のフルフェイスマスク被ってたからな、顔は見えなかったよ」
「じゃあ、男か女かは? 体のラインとかでわかるだろ?」
「パイロット用のだぼったい服だったからな、わかんね」
「じゃあ、凶器は?」
「...見ての通りナイフだよ」
そう言って肩の傷口を見せる
「そうか...........今日の所はもう休め」
「あ...ありがとな」
質問をほとんど嘘で返した事に罪悪感を感じる
「帰るのキツいだろ、家まで送ってやる、着いて来い」
「...ありがとう」
罪悪感up
「これでお前も有名になるのか、依頼増えるといいな.....」
「...うん」
あれ? 目頭が熱く...
────────────後日談───────────────
あれから今井議員はちゃんと変更した約束を守ってるようで、犯人の顔は見て無いと供述。
議員を暗殺から救った事により俺も有名人になれると思ったが...
「はい...依頼人が来ない」
結局、議員がしていたことは極秘だったため、俺の成し遂げた功績は一般に知れることは無かった...まあ、仕事のボーナスはガッポリ出たし良しとしよう
コンッ コンッ
依頼人来た!?
「はい! どうぞ!」
ガチャ
「た....助け...」
そう言い残すと男はその場で膝から崩れ落ちた.....
「また何か面倒くさそうだな....」
頑張ります、お願いします