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短編集 冬花火

君はリリー

作者: 春風 月葉

 ただ一つの汚れもなく凛と咲く花の名前は君だった。

 風に揺れる細く長い黒髪、今にも壊れてしまいそうなほど華奢な身体、艶やかなミルク色の肌。

 しかし、無垢で穢れを知らぬ純潔の心を持つ君も、流れる時間の中で汚れを知り、いつかは枯れてしまうのだろう。

 だからせめてこのいつか終わってしまう時間だけは、その美しさを私に見せてくれ。

 そう思っていたのに、君は枯れることなく私よりも先に逝ってしまったな。

 身体はたしかに枯れていたのに、最後まで君の心は穢れなく白いままだった。

 君は百合のように美しく生きたのだ。

 ならば私も君の隣に咲けるよう、いつまでも純粋に君だけを愛し続けよう。

 何年先になるかはわからないが、必ず君の隣にいくから、それまでは咲き続けていてくれないか?

 ふわりと吹いた風は百合の香りがしていた。

百合の花言葉は、純粋、無垢、威厳。

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