第41部
クリスタルは鉄の鎖を解き放たれ、アナスタシア王女と再会した。
マダム・ブラスターは気のふれた妹アルテミシアと融合し生き返った。
女教皇ルチアナが、「クリスタルを特赦する」と叫んだので兵士たちは、クリスタルの鉄の鎖を外した。
ハルモニア王国はジョー・デウスの死によって、恐怖の呪いが解け、生命エネルギーが吸い取られ不浄なる死によりゾンビ化していた人間たちの王国は、呪いが解け生命を宿し元通りの美しい賑やかな人懐こい王国に戻っていた。ゾンビだった体が再び生命を宿した肉体に戻り、人々は生き返り、あまり深く考えないまま、元の日常に戻っていた。
そのハルモニアの王宮前に、魔法陣でアナスタシアとクリスタルと、アルテミシアの身体に融合したマダム・ブラスターが帰って来た。
真っ裸の息子にマダム・ブラスターはあわてて皇后の上着を脱いで着せた。
アナスタシアが言った「あの子が私を元の姿に戻してくれたの」「あの子ってだれ?」とクリスタル
「私のお腹にいた子供よ。ドウルガは呪いが解けた時、私を連れて行こうとしたの、それをあの子がドウルガを自分の身体に融合して、そしてどこかに行ってしまったのよ」とアナスタシア。
マダム・ブラスターが言った「ドウルガはアナスタシアの命を奪って転生しようとした。それをアナスタシアのお腹の子供が代わって自分がドウルガと融合したんじゃ。ドウルガの魂はその子供と融合し、その子供はドウルガの意思で命を失い、どこかへ転生したはずじゃ。だれか他の女の胎内へな。新しい命として」
あと、マダム・ブラスターは言葉を続ける
「お前のフォボスの呪いは解けたけど、妖剣ダイモス自身が意思を持ち、お前を自分の唯一の使用者と選んでいる。だからお前はフォボスの呪いが解けて以降も、妖剣ダイモスを使えるよ」
「ああ、あの剣にはホントに世話になったけど……そうなのか? ありがたいな」とクリスタル
「ねえ、クリスタル。私達、私たちの子を捜しに行きましょう」
「ああ、そうだな、じゃあ……その子を捜しに行くか」
二人の新しい旅が始まる。