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第4部 ウィルガルド大陸伝奇

 王女と契り合ったのは明け方のことだった。

その日、明け方頃、王宮の夜回りの当番だったクリスタルは宮廷内の中庭を見回っていた。

王女の部屋のバルコニーの下に差し掛かった時、上から、丸めた紙が飛んできて顔にあたった。

広げてみると、『いますぐ私の部屋に来て』と書いてあった。

 

ーーさすがに、俺が王女の幼馴染でもヤバいだろがぁーー

と思ったが、

そっと王女の部屋に伸びている野薔薇のツタを登ってバルコニーに登ると、


そこに王女が立っていた


アナスタシアはクリスタルに

「あなたを愛してるわ、何か嫌な予感がするの、そばにいて欲しい」

と言った。


クリスタルは、王女に、「いままで誰にも言っちゃいけないと

            おふくろに口止めされてたんだけど」と言って、

     

     自分がレテ河に流された手も足も眼も耳もない赤子だったこと。

     母のゴーレムの秘術で今の身体になったこと。

     自分にはフォボス(恐怖)という恐ろしい呪いがかけられていること、

     を説明した。

     その呪いの内容は、周りにいるすべての生ける者の生命力を吸い取り、

     死にいたらしめ、アンデッドにするという恐ろしい呪いであること、

     母のマダム・ブラスターが自分のためにその呪いを封印する新しい

     防御魔法をその場で即、創造して、自分にほどこしてくれたこと。

     その防御魔法は2,3年に1回更新が必要であること。

 

 自分の秘密のすべてを話した。


「だからさ、僕はきみの恋人にはなれない。他の男を選べよ!」と言った。


「呪いはあなたの母のマダム・ブラスターが封印してくれたんでしょ?

 あの方は私の家庭教師だけど、この国で最高の錬金術師でもあるわ。

 あの方が命に代えてもあなたを守ってるなら平気よ。

 私はあなたの秘密を知った上であなたを愛するわ。あなたに愛を誓う」


ーー本当は自分も誰よりも彼女を愛している、

  その人が、ここまで言ってくれるのに、

  その女の子から頼りにされてなんて言う? いやだって言う?


クリスタルはそのまま彼女のそばにいて、

夜明け前に、彼女の部屋で彼女と結ばれた。


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