旅の始まり
この世界の名前は、「スタード」どうやらこの世界は球体でできているらしい。けど誰もそれを確かめていない。確かめていないと言えば語弊があるかもしれない
なぜならこの世界は本来魔素と呼ばれるもので覆われているからである。この魔素は人体への影響が強く常人が魔素を浴びると1時間もかからずに死んでしまう。それでは誰も生きられないと思うかもしれない。だが人が住む街には、街の中心の地下深くに結界発生装置と呼ばれるものがありこれを使うことで街の中に魔素が入り込むのを防いでいる。だから人類は暮らしていけている。
だが街の外は魔素で覆われているから人はこの世界が球体であることを確かめることができない。
このほかにもたくさんの疑問があるがここでは言わないでおこう。
そしてこの長い説明をしている僕の名前は「スペロ」という。
僕は今16歳だ。そして今日生まれ育ったこの街「ネクサス」を今日僕は出る。
僕は生まれつきなぜか魔素を浴びても何とも無かった。だから僕は旅に出る。
この世界の謎を確かめるために…
「母さん今までありがとう、絶対また帰ってくるから」
「本当に行ってしまうんだね」
僕は今まで育ててくれた母さんにさよならを言っている。母さんには本当に感謝している。女手一つで僕をこの年まで育ててくれたからだ。そんな母さんを一人置いて旅をするのは少し心苦しい
「母さんいつでも再婚していいからね」
母さんはまだ36歳だ。まだ全然再婚できる年だ。それに母さんはなかなかの美人だ。
「馬鹿言ってんじゃないよ、早く行きなバカ。」
「うんわかった行ってくるよ、帰ってきたら妹か弟ができてることを祈ってるよ。」
そういって僕は家を出た。
街を歩いているといろんな人から声を掛けられる。
「気をつけろよ。」
「帰ってくるんだよ。」
「元気でな。」
街の人からの声で元気が出た気がする。母さんと離れることで少し寂しっかったのかもしれない。
そんなこんなでついに街の端の門まで来た。
「門を開けるぞ一瞬だけだから早く出ろよ」
門番の人にそう言われた。人によって魔素に対する強さが違っているとはいえ大多数の人は魔素によって体調に影響が出るからだ。
「わかりました。」
「気を付けて行ってくるんだぞ」
「はい、では行ってきます。」
そう言って街の外に出る。
「ついにここから僕の旅は始まるんだ。」
街の外に出た僕は、まず東に進む目指すはこの街にもたまに人が来る、「商業都市アバダン」だ。
ここから僕の僕だけの人生が始まるのだ。
読んでくださりありがとうございます。