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Just loving you.  作者: しっちぃ


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15/17

理沙 手の温もりは

いちゃいちゃが本番だと思う今日この頃

 海に行ったことが久しぶりすぎて、今こんなに胸の奥が痛いくらいどきどきしてるのが、海に来たからか、隣に由実がいるからかわからない。

 着替えて、その上にウウェットスーツを着る。それに袖を通していると、

「ねぇ、わたし眼鏡ないと見づらいんだ……。それにみんな同じ服だからわかんなくなっちゃう……」

と、眼鏡を取った由実がおそるおそる言う。

「うちがずっと手、繋いでるから」

由実の顔が赤くなる。私も顔中熱くて、多分二人とも真っ赤だ。

「え、……いいの?」

「さっきまで、ずっと繋いでたじゃん」

赤い顔を見られたくなくて、ちょっとうつむきながら言うと、由実の顔はますます真っ赤になって、そんなところがかわいくてかわいくてしょうがない。

 着替え終わって、荷物をしまっていると、由実が髪を後ろで結んで、ポニーテールにしていた。普段のまっすぐに下ろした髪型よりも、由実の丸っこくてかわいい顔に、すごく似合っている。

「髪結ぶなんて珍しいねー」

「だって、結ばないと髪型変になっちゃうし」

なぜかまだ顔が赤い由実に、ちょっといたずらしたくなった。

「そっちのほうがかわいいよ」

さりげなく、みたいに言うと、急に俯いて顔を手で隠す由実。――その隙間から、さくらんぼみたいに顔中赤くなった肌の色。

 悪いな、とは思いつつ、あまりにもかわいくて、何かしそうになるのをこらえるので必死だった。


 最初に自由時間で、由実と一緒に「やってみたいこと」を、いっぱいした。

 砂はけっこう柔らかくて、入れそうなくらいの穴がすぐに掘れた。由実にそこに寝転がってもらって、そこに砂を集めて埋める。出てる顔から、「わぁ、あったかーい!」って言う由実は、きらきらと輝いているように見える。

 由実を砂から出して、海の中に入ろうとする。海の中に入って数歩。腰のあたりまで浸かる。握った由実の手がほどけて、さっきまでとは違う繋ぎ方をされる。指を絡められて、―――恋人つなぎ。そう気づくと、顔が火照って、水の中に顔をつけても全然治らない。

「ごめん、なんか恥ずかしいよぉ……」

これ以上は耐えられそうになくて白旗を上げると、

「いいよ、じゃあ、やめにする?」

と、意外にあっさりと返してきて、指を離そうとする。でも、なんでか、離したくないと思うわたしもいて。

「このままでも、いいよ」

と指にちょっと力を入れる。繋がったままの手の温もりは、水に浸かってても温かい。

「もう、『友達』じゃないもんね」

ようやく答えを見つける。由実の顔が、ぱぁっと明るくなる。反対の手も絡められて、真正面に来る由実の顔。

「理紗、大好きっ」

体中が溶けてしまいそうなくらい熱い。由実が、わたしの『恋人』になってから、由実のことがたまらなく愛おしくてたまらない。由実のことをいっぱい知って、それでもまだ全然足りないと思うくらい、由実に溺れてる。


 バナナボートの順番が来て、由実の後ろに乗る。進み出すと、思ったより速い。ジェットコースターみたいな感じで、つい叫びたくなる。蛇行とか急カーブがあって、風がごうごうと打ちつけるけど、みんな海に落とされるとかはなく無事に終わった。

ボートを降りてから、「恐かったよぉ~!」と抱きつかれる。半泣きの由実の頭をそっと撫でる。落ち着いたと思って、手を離すと、「こっち来て」とわたしの手を握って海の奥のほうに行く。そろそろ足が着かなくなりそうなところで、人はほとんどいない。

由実の顔が近づいて、――あ、目閉じた。海の中にいて冷えそうなのに、抱き合った体はお互いを温めあう。重なったくちびるがそっと離れても、体は触れたままで。

「理紗……、あったかい……」

さっきより心なしか赤くなった頬。

「よかった。海の中ずっといると、寒いもんね」

「うん、だから嬉しい」

私の心が、溶けていく。由実が、優しく包み込んで、あたためてくれるから。もう、由実が離れてしまうのが、耐えられないと感じる私がいる。

「そろそろ戻ろ?シュノーケリングの順番来ちゃうし」

「そ、そうだね」

恋人つなぎにも、けっこう慣れてきた、きがする。これからも、ずっとずっと由実との思い出を積み重ねていきたいな。

いっぱい感想やブクマをもらって嬉しい限りです


でもまだまだ感想募集してます。お願いします。

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