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Just loving you.  作者: しっちぃ


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10/17

由実 胸の中で膨らんで

今日で19歳。

 1日目も、もうホテルに行くだけになった。

 渋滞でのろのろとしか進まないバスの中で、バスガイドさんが心理テストをやってくれた。いろいろとやっていくうちに、隣の理紗のことが、いっぱい知れた。実は心は大人だったり、自分の心に素直だけど、ちょっと素直になれないとこがあったり、かっこよく思われたかったり。知らなかった意外なことも、いっぱい。

 けど、わたしが一番知りたいのは。理沙がわたしのことをどう思ってるのか。それさえ分かるなら。何もかもどうだってよくなる。

 ホテルの駐車場にバスは入り、いよいよホテルに入る。ロビーに置かれた荷物から自分の物を探して、エレベーターに乗って、8階にある泊まる部屋に着く。

「おー、綺麗だー」

「本当だー」

 荷物を整理して、部屋のものを確認すると、もう夕食会場に向かわないといけない時間になっていたみたいだ。

「理紗、由実、もうごはんだよ」

 同じ部屋の奈緒さんが言う。ちょうど理沙のおなかが鳴って、

「ほら、行こう?」

 と言うと、真っ赤な顔をした理紗がこくん、とうなずく。

 そんなところもかわいくて好きだな、と無意識に思っていた。


「ふー!いっぱい食べたねー!」

「えー?そんな食べられなかったよー!」

 料理自体はとてもおいしかったけど、みんなが料理が来るや否やすぐさま取ってしまって、あんまり食べられなかった?

「えー?そうかなー?」

 そういう理紗はご飯を4回も食べていた。リスみたいにほっぺを膨らませててかわいかったなぁ、なんて思い出して頬が緩む。

「お部屋戻って、みんなでUNOやるって言ってたけど、どうする?」

 って言われたけど、そんなのあんまり興味ない。

「理紗とおみやげ見ていきたいなー……」

 2人でいたくて、気がついたら、こんな事を言っていた。

「早めに見とかないと忘れそうだもんねー」

 とホテル内の売店に向かうわたしたち。いつもわたしより早足な理紗が、なぜか今はわたしがゆっくり行かないと置いていってしまいそうなくらい遅い。お腹痛いのかな、と聞いてみたら、そういうわけじゃない、て前置いてから、

「由実と、もっと2人でいたいもん……」

 って俯いて言われて、顔中が火照るみたいに熱くなる。たぶん、理紗とおんなじくらい。

 顔の熱がちょっと冷めたかな、と思って、理沙のほうを見ると、

「も、もう、早く行くよっ!」

 とわたしの手首を握ってすたすたと歩く。

 理紗と一緒にいる時間が増えて、いろいろなところを知れた。けど、もっと知りたい、なんて不埒なことを考えているわたしがいた。

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