3話 みぃちゃんと星と
「もう帰るの?」
僕がそう聞くと、そうだよと言って、みぃちゃんは出て行った。少し遅れて僕も外に出た。寂しかったし、もうちょっとだけみぃちゃんのそばにいたかったから。
みぃちゃんはじっと立って上を見ている。ちらちらと光る、星のいくつかがはっきりと見える。僕もじっと空を見上げてみた。星と星が寄り添ってきれいだ。みぃちゃんもきれいだけど星もきれいだ。
星と星ってずっと遠くにいるんだよね。とみぃちゃんが言った。
「そうなんだ。仲良く集まってるように見えるのに。」
そう僕が言うと、みぃちゃんはそう見えるのにね、とぽつりととても寂しいようなかすかな声で言うのだった。
「みんな近いと思い込んでいるだけで、ずっとずっと遠いんだよ。一度もそばにいられないくらいに。」
そう言ってみぃちゃんは僕から目を離して、また空を見上げた。
何十分くらい経っただろうか。僕はもの思いから逃れて、みぃちゃんを見た。
みぃちゃんは泣いていた。みぃちゃんの目から涙が流れ続け、それでも、じっと空を見上げていた。僕はみぃちゃんのすぐ隣に立ち、そっと手を握って一緒に空を眺めていた。みぃちゃんの手は冷たい氷のようだった。