終章
灯篭館で起きた殺人事件から2日経った。
学校では殺人事件の話でもちきりになっているだろう。
式は、あの後学校側がどういった対応をとったのか気になったので、学校に登校することにした。
学校に着いたが、学校の様子は普段と変わっていなかった。
(いつも通りだな。皆殺人事件の話題には興味ないのか…?)
式は教室に行き、榊に話を聞いてみることにした。
「式くん、おはようございます」
「あ、榊さんおはよう」
「少しお話をしたいのですがよろしいですか?」
「俺も聞きたいことがあったんだ」
場所を移した式は、殺人事件について聞いてみた。
「先日起きた殺人事件が話題になっていないようだけど、皆興味ないのかな」
「そのことについてなのですが…どうやら皆殺人事件が起きたことを知らないようなのです」
「知らないって…そんなはずはないだろう?」
「本当なのよ、式くん」
佐倉先生が話かけてきた。
「あ、先生。どうしてなんですか?」
「それがね、沖田さんも松田くんも伊藤くんも転校したことになっているみたいなの」
「転校って、そんなの沖田先輩と伊藤先輩の親族が黙ってないでしょう」
「何でも、親族の皆様には納得してもらったって校長と理事長は言っていたわ」
「自分の子供が殺されて、その事件が隠ぺいされようとしているのに納得する親族がどこにいるんですか。そんなのおかしいでしょう」
「そう言われても、もう対応された後だしどうしようもないわ。神藤くんや吉野さんもクラスメイトに事件のことを話しても信じてもらえないみたいだし」
「……」
いくらなんでもおかしい。
学校側が事件のことを隠す理由はわかる。学校の評判につながるからだ。
だが被害者の親族側がそれを了承する理由がわからない。そんなことをして何の得があるというのだ。
「ねえ榊さん。この学校はどこかおかしいよ」
「ええ。完全学力主義が認められていることといい、今回のことといい、何かしらの大きな力が動いているみたいですね」
この学校の存在に疑問を持った式だが、一学生にすぎない式では何もできない。
式たちにできることは、この事件を風化させないために自分たちが決して忘れないようにすることしかない。
自分の無力さを感じながら、続いていく日常を過ごしていくことしか、今の式にはできなかった。




