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隠すのはバレるまで、だますなら最後まで。閑話1.

作者: ステラ

こちらも「皆で初恋ショコラ参加作品」です。しばらく振りに書いてみると…まぁ勝手にキャラクターが突っ走る突っ走る。本編よりも先に進んだ設定も見受けられますがー。お楽しみください。

「おっ。おまえ旨そうなの食ってんじゃん?」と、背後からいつもの如く音もなく歩み寄り、私の首すじに息がかかる距離で話すヤツがいる…。


……パーソナルスペースという概念は、あんたにはナイのかっ!


「だからっ!もう後ろから話しかけるのやめーーっ!」と、後ろ首を手で押さえながら振り向いたマヤは、ばっちり出勤準備(化粧)を終えた凛こと、凛子を睨んだ。


「ミカちゃんさんが差し入れて…っ!?下さいましたの…」とおかしなニホンゴになったのも無理はないと思う…。


「初恋ショコラ」(という名の某コンビニチェーン店のケーキ)をすくったスプーンを持つマヤの手を掴んだ凛子が…(あー。ややこしい…)至近距離でパクッとそのケーキが乗ったスプーンを咥えたからだ。


あ…。間接キ…す…。

てかっ!近っ…い!


ぐぃ〜んと、凛子の化粧が取れないようにおでこを押さえて距離をとる。


「んだよぉ〜。あ。これ旨いのな?甘すぎず苦すぎず…ん。んまいな」

と、唇についたショコラの欠片をペロリと舌で舐めとった。


…っ!!!?なーっ!色気だだ漏れ!

マヤは、凛子の(天然の)なんとも官能的な表情にビクリと肩を震わせ、徐々に紅潮していく頬を感じていた。


「…またなのー。いちゃつくなら他所でやって」「なんなのよっ!だいたいあんたたちは!人の目を盗んでイチャイチャと!」と、出勤準備を終えた葵がギラギラと目を光らせた紗也子を伴って溜息と共に控室のいちゃコラコンビを白い目で眺めていた。


「いやいや!いちゃついてナイですし!凛子さんがっ…ぐぇっ!」

スプーンをふりふり説明を加えていたマヤを凛子が後ろから羽交い締め…もとい、抱きしめてニヤリと笑う。


「ふふん♪甘くなくて美味しかったわよー」と、凛子の言葉遣いで腕に力を入れる。


そぅ。必然的にマヤの首を締めることにもなるのだが…。

ギブギブッ!と、凛子の腕をタップしてマヤが息を吹き返して叫ぶ。

「ごっ…誤解を生むから!やめてー!てかっ紗也子さん睨んでますからー!」ジタバタと凛子の包囲網の中で暴れる。


「ちょっと離れなさいよ!」と、紗也子がバリバリと二人の間を引き裂く。


…ほっ。としたマヤを

「んで?何を食べてんの?」と葵が覗き込む。しかもマヤの頭を鷲掴みグキッと顔を自分の方へ向けて…。


いだっ!いだだだだっ!

「もっとやり方があるでしょうっ?!」と、葵の手を振りほどき自分の頭を取り返して、初恋ショコラを見せつける。


「これです。ミカちゃんさんが下さったんです。“ケーキとぼくのキス、どっちがすき?”だそうです…?」と、マヤは首をかくんっ…と倒して語尾に?をつけた。


「なんだい?その歯の浮くようなセリフは…」とマヤに葵が問うと、さぁ?とマヤが返す。

ミカちゃんさんがそう言って渡して下さったんです。と言うマヤに凛子が敏感に反応して紗也子の腕を振りほどき…(あ。さっきから紗也子に詰め寄られて…いや迫られて?逃げ惑っていた)「なにっ⁈お前…あいつとキスしたのかっ⁈」とガクガクとマヤの肩を掴んで揺さぶる。


だからっ!いだっ!いだだだだっ!

「してません!それに…そもそもミカちゃんさんは…対象が違うでしょっ?」と宣もうたマヤに…呆れ顔の凛子がボソリと呟いた。


「あいつ…バイだぞ?お前知らねぇの?」ったく…だからあれほど気をつけろって…ブツブツ。


っ⁈

「えぇぇぇぇえーえーっ!!?」







「んふふ。このアイドルたち可愛いのよねぇ〜。ぜひ私がきれいにメイクして着飾ってチヤホヤしてあげたいわぁ〜(ハート沢山…)」

某コンビニ店でポスターのアイドルを眺めながら、ミカちゃんが独りごちている。


「さっ♪私の大事な可愛子マヤちゃんに、せっせと餌付け大サーク戦!」と、透明ケースに黒蓋、金のリボンの初恋ショコラを手にとっていそいそとレジへ向かう。


「私、可愛いモノでもヒトでも皆平等に愛情注げるのよねぇ〜♪」





やられたっ…。

まんまとミカちゃんさんに騙されるところだった…っ!


深〜い溜息と共に、またキラキラの舞台へ出演するべく、マヤは控室の幕をくぐり抜けるのだった。






ケーキとぼくのキス、どっちがすき?




騙す…うそを言って、本当でないことを本当であると思い込ませる。あざむく。たぶらかす。

そう。ミカちゃんは可愛いものはすべて恋愛対象です。本編もがんばって進めますねー。


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