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リレー小説:重なる世界の物語  作者: リレー小説ALLプロジェクトメンバー Ver.1.3
23/31

第23話

リレー小説第23話です。


担当 :神咲信斗

作者から一言

今回のは全体的にグロ注意です。

「……雑魚が煩いですねぇ……」


 シンザックがすり鉢状の地形の端から内側を見ると中では魔物が呻き声を上げて威嚇してきた。


 雑魚と言ってもそれは魔物の枠内での事であり、常人から見れば十分脅威である。


「……では私達は早速仕事に入りましょうかね?」

「……異存はない」

「僕も構わないよ」

「……あ、その前にここでの組分けをしないッスか? 一人一人が勝手に動いても上手く殲滅出来なさそうッスし」


 だがこの殲滅班は五人である。


「二人と三人に分けますか?」

「では私は一人で構わん。居たとしてもう一人がいたら殲滅の邪魔だ」

「えっと……それじゃあ俺達四人でどう分けるッスか?」

「では私とメルトゥース、サミールとパークの組み合わせで構いませんか?」

「……その組み合わせである理由を聞きたい」

「理由ですか? ……まぁ強いて言うならば私の勘です」

「ま、まぁ……少し説得力に欠けるけどまぁ良いんじゃない? 一応僕は賛成だよ」

「……」


 一瞬全員が静かになる。皆が静かになったお陰で魔物の呻き声がよく聞こえる。先程よりもよく聞こえる事から魔物はこちらを見つけ、近づいて来ているようだ。


「……黙っている暇など無い。早く作戦を説明したまえ。」

「……私とメルトゥースは敵の正面を突破しますのでサミールとパークは遊撃部隊として行動してもらいます。アイリーンは上空にて広域殲滅魔法の陣を編んでいてください。上空であれば邪魔は入りにくいでしょう」

「……了解した。」

「分かったよ」

「分かりました」

「貴方達を信頼してはいますが一応言っておきます。敵前逃亡は殲滅に支障をきたし陣系の崩壊によって各個撃破される可能性があります。決して逃げないでください。ここの崩壊は中層の五人に負担をかけてしまいます。下手を打てばそのまま殺されてしまう事だってあるかも知れません。」


 ここの崩壊によって中層に小型の魔物が流れ込み疲弊している五人の背中を強襲してしまう可能性もあるのだ。


「貴方達はここを文字通り命を掛けて死守しなければいけません。もしかすれば魔物に殺され、皆さんの遺体も食らい尽くされてしまうかも知れません。覚悟は出来ていますね?」

「……あぁ、出来ていなければここに居らん」

「たわけが。死ぬつもりなど毛頭ありはせん」

「ここで僕に逃げろと?笑わせるね。武勇伝が本として出版出来なくなるじゃないか。そんな僕は誤字以下だ」

「ここで逃げたら人間失格ッスよ。ってか実際俺も世界を救った勇者のパーティの一人に名を連ねたいッス」


 皆、それぞれの言葉で覚悟の強さを表す。


「では各々(それぞれ)思いのままに殲滅戦(行動)を開始しましょう。御武運を」


 その言葉でもう一度気合を入れた五人は組毎に別れ魔物の殲滅を始める。




「ではメルトゥース。行きましょうか」

「改めて見ると相当気持ち悪いな……」


 クレーターの中を覗き込んでみると、魔物が壁を登ろうと壁に爪を立て足掻いている。だが下の魔物は上の部分の魔物の重さによって押し潰され血が流れ周りの赤土に染み込み赤黒い塊と化しているのが目に見えて分かる。


「メルトゥースさん?」

「人を襲わせる為に小型の魔物を無駄に使い潰すつもりなのか? ……あぁ、わざと人間が嫌う惨状を造り上げているのか。それこそ小型を使い潰して。……敵を殺す為には同胞の被害も惜しまないって事なのか? ……ッチ……虫酸が走る」

「あ、あの……メ、メルトゥースさん?」

「君か、どうかしたか?」

「い、いや……その……なんと言うか……」


 シンザックは今までメルトゥースから感じていた違和感の原因が何か分かった。


 皆の緊張を和らげる為にわざわざ道化(クラウン)を演じたのだ。

今まで慣れない軽いオトコを演じていた事が違和感として表れたのだ。


「あぁ、すまん。此方が素だ。普通に流せ」

「……分かりました。中途半端ですが私が組んだ作戦を説明して構いませんか?」

「あぁ、構わん。何か不備が合ったら俺からも対策案を出そう」

「主に私が突っ込んで魔物の注意を引きます。メルトゥースは私の後方を守ってもらえますか? 私は戦闘に集中すると防御しなくなる事があるので」

「ならば私が後方から魔法を放って君の背中を狙う卑怯者を抹殺しよう」

「そこまでしなくとも良いです。これは一種の持久戦ですから魔力は温存しておいてください」

「そう言えばそうだったな、すまない。これ以上相手も待ってくれなさそうだしな」


 魔物の数が先程よりも増えている。飽和状態と言っても過言ではあるまい。


 恐らく何処かで魔力が渦を巻き、肉片や地面が吸い込みきれなかった血を材料に新たな魔物が産み出されているのか、或いは召喚師(サモナー)が魔物を召喚し増やしているのか。


 前者なら仕方ないと言えるがこの魔物の増殖スピードから言って恐らく後者だろう。


 私は懐から得物である片手剣を取り出す。剣は禍々しい気を纏っている。所謂魔剣に分類されるものだ。剣に取り込まれている怨霊が唸ると同時に周りの気温が一度程下がる。周りを呪いで汚染している証拠だ。


 これは兄が父からもらい、いつも持っていた剣で、元は普通の片手剣であった。


 兄は便利屋をしていた。時々変わった依頼が来ていた。今回もいつも通り何も起こらずいつも通り終わると思っていた。

だが今回だけは違った。


 依頼者に借りた曰く付きの幻術具によって狂乱し、両親と姉をコレで刺し殺し私を殺そうとした。逃げようと思ったが全力を出し、私の頭を剣で突こうとしてくる兄からは完全に逃げ切れなかった。両親と姉の血で真っ赤に染まっている剣は私の左目を抉り取った。物凄く痛く、視界が全て真っ赤に染まっていた事は今でも覚えている。幼かった私は大きな悲鳴をあげた。


 恐らくだが悲鳴によって兄はやっと狂乱が解けたのだろう。弟である私を震えながら抱きしめ、目の前に広がる惨状を見て目を丸くし、自分の手に頑なに握られている血に染まった剣を見て目の前に広がる惨状を作り上げた人物が自身だと理解した。


 兄は、自分の両親と姉(かぞく)を殺した剣で直ぐ様自分の命を絶った。幼き私を置いて。


 その後、私は兄に幻術具を渡した依頼者を捜しだし殺した。頭を跳ね、体の四肢を切り落とし、腸を醜く飛び出させて。


 それを見ていた人も殺した。殺し尽くした。


 いつからか呪いが剣を介し私の体を蝕み始めていた。寝る度に悪夢を見るようになった。人殺しの代償だった。だが何時しか慣れてしまった。


 いつもこれを見るとあの時の惨状を思い出す。恐らく私はあの時死んだのだろう。無論肉体的な死ではない。精神的な死だ。


 あの時私は壊れ、ただ闇雲に人を殺す事で自我を保っていたのだろう。


「……私には何故君が笑っているのかが理解出来ないし、もうそろそろ私も我慢の限界なんだが?」

「待たせてしまっていたか。すまない。行こう」


 私が気づいてない間にメルトゥースは得物であろう双剣を取りだし、戦闘準備は済んでいたようだ。


 そう言って私とメルトゥースは魔物と魔物の間に出来た隙間を狙って飛び降りる。


 刃に魔力を通し怨霊が喰らう。瞬間、片手剣が纏う呪いの量が増大し刃渡りを大剣並みに大きくする。剣に取り憑いている怨霊達が魔力と私の生命力を喰らい、呪いを吐き出しているのだ。これは寿命を縮める諸刃の剣だ。


 着地する。多くの魔物の血を吸い、赤黒い塊となっている泥が顔に付着する。


 魔物の血で生温く血生臭い泥が気持ち悪い。マントには悪いが拭ける物がそれしかないのでマントで泥を拭う。


「そんな事をしている暇があったらさっさと仕事をしろ!この馬鹿者が!」


 私がそんな事をしている間にもメルトゥースは殲滅を開始していたようだ。


 メルトゥースが得物を振る度に魔物の首が飛ぶ。魔物の首が飛ぶと同時に血が吹き出る。見ていたら興奮してきた。


 剣の怨霊が俺が興奮するのと共に叫びを上げる。剣も殺しに飢えていたのだろうか。その興奮に身を任せて俺は怨霊の殺しに飢える声を聞き入れた。


走る。走る。疾走(かけ)る。


 メルトゥースが開けた隙間を使って最高速度まで上げる。呪いも殺しに必要不可欠と分かっているのか俺の身体能力を底上げし、身体に疲れもない。この状態になると痛みも感じにくくなる。だがこれは一重に身体を壊している事と変わりはない。


 魔物を頭から叩き斬る。三匹程の魔物は血と共に小さな肉片となって飛び散る。そこに魔物がいた。と言う証拠はこれしか無くなってしまった。そして俺は腕の筋肉が切れ、ぶちぶちっと不快な感じが腕に響く。だが直ぐ様呪いが腕を包み、修復される。


 呪いが久しぶりの『死』を欲しているのだろう。俺は効率的に魔物共から『死』を取り出す機械として剣に生かされている。


 キキッ!キキキキキキィ!と剣が叫ぶ。


「死ね死ね死ね死ね死ね死ねしねしねしねシネシネシネシネシネェェェェ!」


 血を見て興奮しているのと呪いによって死を味わいたいと言う感情によって俺の『殺す』と言う意識が増幅されたのか俺の口からは何度も死ねと言う言葉が出てきた。体内で消費された分の魔力は空中に充満しているマナを吸収する事で回復出来る。


 そして剣に着いた肉片を飛ばしてから次の魔物(えもの)が密集している所に走る。


 身体強化の恩恵かすぐついた。大剣で横に一閃。七匹の魔物が呪いの圧力によって挽き肉となる。高濃度の呪いは物理的破壊力も有するのだ。


 十五匹のグールやゾンビもいたが走っている間に体に纏っている呪いに巻き込まれ血と肉と腸が混ざった赤い塊になってしまった。


 やはり魔物にも知性はあるのか、仲間を殺されて怒っているように見える。


 ……まさか敵を殺せる機会(とき)が来て興奮している訳では有るまい。それではただの獣だ。出来れば前者である事を祈る。


 そうでなければ(コロ)()イを楽しめないじゃないか。


目の前で閧の声を上げる(オーガ)の上半身を袈裟掛けに切ろうと思ったがオーガの筋肉質な体によって途中で刃が止まってしまう。過去にもこんな事はあった。対処方法など分かっている。


 剣への魔力供給を一回断ち、剣を覆っていた呪いの膜を剥がす。代わりに体内を巡っている呪いへ剣へ送っていた魔力を送る。瞬間的に身体能力が三倍程に跳ね上がる。


 強化された足でオーガを蹴り飛ばす。後ろにいた雑魚共もオーガの死体で動きは制限される筈だ。そしてコレをやった後は刃に呪いを纏わせるまでに時間が掛かる。時間にして約三分程だ。戦場でこれは相当のロスだ。


 ……呪いに汚染されていた頭が冴えてくる。……あれ?何か忘れちゃってるような……あれ?そう言えば私の役割って……



「おい! シンザックゥ! 暴走し過ぎだ! 貴様は俺の事も考えやがれ!」



 ……あ、メルトゥースの事忘れてた。




 メルトゥースは驚愕していた。先程まで至って普通に話していたシンザックが


「キキッ! キキキキキキィ! 死ね死ね死ね死ね死ね死ねしねしねしねシネシネシネシネシネェェェェ!」


 ……と狂ったように笑いながら戦車のように突き進んでいるからだ。


 シンザックが進んだ跡には血と魔物だった肉の塊しか残されていない。


 ……いや、少し語弊がある。シンザックが叩き潰していった魔物達が保有していた魔力が大気中に撒かれ、気魔(マナ)として残されている。


 これだけのマナがあれば広域殲滅魔法は使えそうだが……その魔法陣を描く暇を与えてくれる程魔物もバカではないだろう。


 とりあえず私は指輪型の魔力を収集する魔具を装着してからシンザックが作り上げた血まみれの道を進む。シンザックが仕留め切れなかった魔物が二匹程いるので止めを刺しながら進んでいく。ただ首を切り頭と胴体を切り放せば良いだけだ。


 そうこうしている間にシンザックの背中が見えた。一言だけシンザックに思いの丈をぶつけてみる事にする。


「おい! シンザックゥ! 暴走し過ぎだ! 貴様は俺の事も考えやがれ!」


 今はこれだけ言っておく。シンザックも悪いとは思ったのか素直に土下座した。


「あの……メルトゥースさん? 御願いがあるんですけど……聞いてもらえませんか?」

「よし、一回だけ聞いてやろう。俺に利益がある事だったら聞いてやる。ただしこの雑魚共を蹴散らしながら言え。聞こえなかったらそこまでだ」


 そう言いながらシンザックの背中を狙っていやがったオーガの四肢を切り落とす。謝ってる途中だからって少し油断し過ぎじゃないか?


「すいません……今後は気をつけます……」


 それなら別に構わないが……ってテメェはセルフに思考を読むんじゃねぇ。


 筒抜けが前提で何か話すのとか絶対嫌だよ!?


「油断のし過ぎも危険でしたね……本当に申し訳ございません。そして貴方はどうしてそんなに驚いているんですか? 私にはよく分からないんですが……」


 ……どうやら私は思いっきり勘違いしてたみたいですね。恥ずかしいです。

「シンザック、三十秒だけ任せても構いませんか?」

「三十秒……か……結構長いな……時間をかけた分は使える魔法なんだろうな?」

「あぁ、約束しよう。絶対殲滅が楽になる」

「そんな自信満々ならキッチリ発動して敵を全滅させるくらいの事はするんですよね? 期待しちゃいますよ?」

「……例え全滅出来ずとも相当数の魔物は処理出来るでしょう」

「分かったよ! 分かりましたよ! 守りますから!」

「了解です。魔法陣は少しでも書き損じたら不発しますので私の見せ場を作る事に協力してくださいね?」

「……いや、分かりましたから……そんなに顔を近づけて言わなくても分かりますから……怨霊を二匹くらい護衛に付けておくんで魔法陣書いちゃってくださいよまったく……はぁ……」


 そう言ってメルトゥースは指輪をはめた後、魔法陣を書き始めた。


 俺は怨霊共に魂を食わせて無理矢理働かせる。ジリジリと体の中が沸騰するように熱く感じる。


 剣を地面に突き立て、呪いを地面に這わせる。これで即興の結界が完成した。魂だけを喰らって肉体は何も傷は残らないので捕縛用途に主に使われるのを今回は利用した。


 メルトゥースは周りを死んだ魔物共に囲まれた状態でまるで案山子のようにつったっている。


「戦場のど真ん中で殲滅用の大型魔法陣を描くなんてバカがやる事だろうが……自殺志願者かよ……」


 そして書き終わったのかメルトゥースがこちらを向き叫ぶ。


「シンザック! 出来れば伏せてください! 当たってしまうかも知れないので!」


 今アイツなんて言いやがった!?


 それを聞く前からメルトゥースの背後には魔力が集中していた事はシンザックにも分かっていた。


 今シンザックに出来る事と言えばメルトゥースを守るように展開していた怨霊共が巻き込まれて戦力が減らないようにする事と自分が死なないように頭とかを守る事だけじゃねぇか! ちくしょう! アイツ後でぶん殴ってやる!


 シンザックはメルトゥースを後で殴る決意をし、伏せて頭を呪いで強化した。


 刹那、シンザックの頭上をなにかが掠めて飛んでいった。そしてシンザックは気を失ってしまった。



 瞬間、俺の背後に幾つもの魔法陣が並ぶ。幾つもの魔法陣が重なり、まるで筒のようだ。それが複製され、俺を守るように放射状に広がる。黄金の耀きと共に夥しい量の剣や槍、斧等が魔物に向かって飛んでいく。


 魔物の腕に当たっただけでも体を消し飛ばし、直撃したものは肉片さえも残ってはいない。


 魔物と言う肉の壁を文字通り削っている剣や槍が何故こんな大量に生成出来ているのかと言うと推進力を失い、地に落ちた剣や槍を即座に魔力へと分解し、また剣を生成しているからだ。


 ただ、これは非常に効率が悪い。だからこそメルトゥースは空気中のマナを回収し、指輪に貯蔵していたのだ。


 だが、魔物が死に、死体が折り重なった山が一つか二つ程出来上がった所で何かがおかしい事にメルトゥースは気づいた。


 女が二人歩いてきている。ただ、それだけならば良いのだが、女が結界を張っているのか剣が緑色の壁に当たった瞬間に砕け散り、ただの砂と化してしまう。


 これでは魔力への還元も出来ない。


 眼鏡をかけた長身の女とその横に並ぶ少し背は小さめだが同じく眼鏡をかけている女が歩いてきた。後ろには何百もの後衛部隊を従えている。


「貴様らかっ! 私の部下を殺しているのは! 貴様らも叩き潰して肉片にしてくれるわァ!」

 そう言って片方の女が斬りかかってきた。避けきれずに右腕を掠ってしまう。


 魔法陣を展開していたので油断していたようだ。魔力が中途半端に詰まっている魔法陣は暴走し、不発に終わる。


……あれ? シンザックが俺を狙う雑魚共を駆除してくれるんじゃなかったか? 出来てないって事は……


「シンザック! シンザック! 大丈夫ですか!」

「あ……ゲホッ……ここだ……助けてくれ……腕が……腕が……」


 生きてはいたようだ。腕の骨があり得ない方向へと向いているが。


「フッ……お仲間の心配かい? アンタは油断してて大丈夫なのかね?」

「姉上こそ少々油断が過ぎるのではありませんか?」

「一々うるさいわねぇ……別に少しぐらい良いじゃないのよ。相手は疲労してるみたいだし」


 ……ちっ……シンザックの事よりこっちを先に殺すか?いや……こちらは疲労している………逃げた方が良いと判断した俺はシンザックを肩に寄り掛からせる。これでコイツも少しは楽になるはずだ。逃げる時も背負えばなんとかなるだろう。


「丁度良いから止め刺しちゃわない? このまま情報を持って帰っても困るし……」

「……ですね。サクッと殺っちゃいましょう。」


どうやら、簡単には逃がしてはくれなさそうだ。


「メル……トゥース……逃げ……ろ……俺は……おい……て……」


 シンザックを置いていけば俺だけは逃げられるだろうが……コイツらだったら怪我人にも躊躇無くとどめを刺すだろう。仲間を見殺しにするなんて残酷な事は俺は出来そうにない。


 その時だった。空から天使が舞い降りたのは。


「フッ……無様だぞシンザック。死ぬな死ぬなと言っておいてその様か。聞いて呆れるな」

「アイ……リーンか……ガフッ……」


 シンザックが口から血を吐きながら答える。一応飲むと呼吸の邪魔になる事ぐらいは分かってはいるようだ。


「よし、二人になりかわって貴様らに鉄槌を下してやろう。喜べ雑魚共よ。ここからは私のターンだ」


 そう言い切って背中の翼を広げる。その御姿は、まるで戦場に降臨する

戦乙女(ヴァルキュリア)のように美しかった。

今回は私が勘違い等から遅れてしまい、申し訳ございません。

時間がなく、少し適当な部分があるかも知れませんが軽く流してください。お願いします。


神咲信斗

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