表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リレー小説:重なる世界の物語  作者: リレー小説ALLプロジェクトメンバー Ver.1.3
16/31

襲来

リレー小説第16話です。


担当 :長谷川 レン

代表作::ヒスティマ(http://ncode.syosetu.com/n6895bd/)

「くそぅ……。お腹減った……」

「良いじゃない。あたしなんて関係ないのに未来君と一緒にされたんだよ? あたしもお腹減ったわよ。まさか服を選んであげる=ご飯抜きだとは思わなかったわ……」


 場所はエド村から北の方の森。


 メルにお腹減ったから何かくださいと言って無差別級謝罪を使ってまで頼んだのだが、出た言葉が、


「森で自分で採ってきなさい。一応リンゴは実ってると思うから」


 と言ってシーカの選んだ服を持ってフーリィと一緒に私室へと入っていた。


 鍵が掛かった音がしたので、それ以上話す気は無いのだろう。


 シーカは魔法を使って覗こうとしていたらしい所を丁度帰ってきたフィーに一発、魔法をお見舞いされ、こうして今、未来の隣にいると言うことだ。


 彼女曰く、


「可愛い物でも見られたらお腹一杯になる」


 とのことだが、残念。


 メルが私室から出てくるまではお預けとなったので不本意ながらも未来についてきたということだ。


 案内も兼ねていると思われるが。


「ところで未来君」

「なんですか?」

「あなた、あの武器はどうしたの?」


 あの武器?


「あの刀よ。ルークを撃退した時に使った刀」


 未来はルークと戦った時を思い出し、そして刀……と言うか椿を思い出していた。


「それがどうかしたのですか?」

「どうして持ってきていないのよ」

「え? えっと……。必要ですか?」

「当たり前じゃない。エド村から出れば何が起きるかわからないのよ?」

「例えば?」

「例えば……未来君を狙う輩が現れたり。あたしが倒せればいいんだけど……」


 何か気がかりなことがあるのだろうか、シーカは背筋を震わせた。


 村の周りと言えばフィーが狩りで捕ってきた事のある猪(?)などしか知らない。


 人は動物とは違うからそういうこともするのかも知れないけど。


「そんなに早くボクの事を知る人が増えますかね? だってまだこの村に来てそう経ってないんですよ?」

「それでも、よ。警戒に越したことはないわ。人に広まってなくても、魔の者には広まっていると思うし……」


 魔の者……。あのルークから出てきた黒い霧の事か。


 未来は森の中でリンゴの生っている木を発見する。


 リンゴでお腹が膨れるかどうかはわからないが、何も食べないよりはいいだろう。


 木に登ってリンゴを六個ほど採る。


 シーカにも半分、分け与え、未来はリンゴを口にする。


 シャリと良い音がして、すっぱく、それでいて甘い味で、口の中一杯に広がった。


「そういえばシーカさん、すみません。フーリィがまさか人になるなんて……」

「ん? 別に良いのよ。あれはあれで可愛いからね~」


 思いだしたのか、にこにこしながらリンゴを頬張るシーカに少しドキッとする未来。


 いつもは大人びているシーカだが、こう言うところを見ていると、可愛いと感じてしまう。


 シーカは身長こそ百四十センチほどしかないものの、綺麗な顔で美人の部類に入るだろう。


 可愛い物に目がない彼女を見れば美人から可愛いへ。


 これがギャップ萌えと言うかどうかわ知らないが、未来はそんなシーカに心を躍らせたことに偽りはない。


「そういえばシーカさんと二人で話すのは初めてですね」

「そういえばそうね。いつもはメルやフィーと、不本意だけどアルが一緒にいるものね。あたしだって一人の時間はそれなりにあるつもりだけど」


 アルだけ不本意と言ったシーカだが、冗談で言ったのだろう。


 シーカは嫌な顔をして話していない。


 しっかりとアルを認めている事がわかる一面だ。


「そう考えると未来君もいつもはフーリィと一緒よね? いいな~。あたしも、もふもふ欲しいな~」

「フーリィは仕方ないですよ。フーリィは元々人前に出るといつもボクのポッケに隠れる人見知りですから」

「そうなの!? で、でもメルやフィーは……」

「懐いていますね。おかしく思います」


 あぁぁ……とか言いながら崩れるシーカに未来はポンと肩に手を置く。


 そうすると今度は「私だけ……」を繰り返していた。


「みぃ」

「?」


 足元から聞こえる猫の声。


 シーカも顔を上げ、すると目にわかるように輝き始めたのがわかる。


 その猫は、輝く絹のように清浄な純白の毛並みを持つ猫で、汚れなど探す方が難しい。


「どうしたの? 迷子か何かかなぁ?」


 シーカがその猫に手を伸ばす。


 すると猫はぷいとそっぽを向いて未来とシーカから離れていく。


 シーカがまた落ち込む。


「アムール。どこ行ったの?」


 すると木の影からローブを深くかぶった人が出てきた。


「みぃ」

「あ、ここにいたのか。おいで」


 声は大人びていて、それでいてなんだかシーカより大人びている女性を思わせる人だ。


 女性と言ったのは、声がどちらかと言うと女性よりだからなのだが、ローブを取ってみないとその真偽はわからない。


 猫はアムールと言うらしい。


 みぃと鳴いて彼女(?)に近づいていくが、手に触れることは無く、彼女の足元に留まる。


(これって絶対にフラグだよな……。こんな森でローブを着た人なんて絶対にフラグだよな……。それが敵に回るか味方に回るかの境界線だけど……)


 未来は心で思って一応名前を聞く事とした。


「あの」

「? 誰かいるのかな?」


 目の前にいるのですけど!? と思ったのは言うまでもないだろう。


 完全に未来やシーカを無視してたと言うことなのだろうか、もしくは本当に気付いていなかったのかどうかは知らないが、彼女は静かに佇む。


「ボクは白河未来って言います」

「あたしはシーカ=ガット=フィオーレ。こんな所に人なんて珍しいんじゃないの?」


 未来が自己紹介だけなのに対し、シーカは自己紹介と思いっきり敵意丸出しな発言をする。


「こんな所? エド村の森だよね? 別に珍しくは無いと思うのだけど……」

「村を知っていてそうやって答えるの? 村の北側よ。こんな所、通る人なんていないわ」

「北側? そっか、私は南から来たんだけど……。失敗。まさかアムールを追ってきて反対側に抜けちゃうなんて」

「みぃ」

「君の事だよ? アムール」


 アムールは別段気にした風もなく、彼女の側でのんびりしていた。


 なんだかアムールと彼女が話しているようにも見えて、上下関係よりも対等な関係に感じる一人と一匹だ。


「名前を聞いているのだけど」

「ああ、そうだったね。私はセルス=クライリスト。この子はアムール」

「みぃ」

「以後、お見知りおきを。特に未来さん……でいいのかな?」

「え、ボク?」


 どうして未来に言ったのかは分からないが、彼女はフードを被ったままで、顔は見えない。


「フードを取ってもらえないかしら? 怪しすぎてよろしくやる気も起きないわ」

「フードを? ……いや、それは少しゲームをしてからで良いんじゃないかな?」

「ゲーム?」

「そう、ゲーム。これでもゲーム好きでね? よくアムールと遊ぶんだけど……。実はアムールには勝ったことが無くてね。いつもご飯は奢りなんだよね」


 猫と人じゃ差があるだろうと考える未来。そういうところを考えないのだろうか、セルスは。


「ゲームなんてふざけてんじゃないの? あなた、立場を考えてほしいわ。二対一よ? あなたに勝ち目なんか無いでしょう?」

「そうやって自分の力に奢ると負けちゃうよ?」

「こ、こいつ……」


 苛立ちを見せるシーカ。


「シーカさん、落ち着いて。挑発です」

「わかってる。わかってるけど……挑発とも言い切れない要素があるのよ」

「え?」


 どう言うことだろうか、未来には全く分からない。


 台詞に挑発以外の要素は見当たらない。


「気づかないの? あいつの魔力。大きすぎだわ」

「魔力?」

「魔術師にだけ見えるのよ。あいつもおそらく魔法を……」


 魔力が大きい……。それはつまり強いって事だろうか。


「あっと、ゲームの内容はね」

「まだやると言ってないわ」

「ううん。やってもらう。だってもう、あなたちの命は私が握ってる」


 すると右手首に黄色に光る輪がつけられている。


「「!?」」


 いつのまに!? 魔術師であるシーカがいるのにも関わらずセルスは気づかせずにこれをつけたということになる。


「それ、後五分ほどで爆破します。ゲームは、あなた達の場合、私のフードを取れば勝ち。私の場合、五分持てば勝ち。さぁ時間がな――」

「喰らえ!!」


 ズガァァンッッ!!


 セルスの居る場所が爆破する。


 黒い煙が立ち込める。


「やった……?」

「やれるわけないでしょう? これくらいでやれたらあたしはあの挑発に乗るようなことはしない。もう、どうしてこんなことに……ッ。だから武器を持って――」


 武器を所望のようだ。


「椿」

「わかっておる」


 手に一振りの刀が現れる。


「どっから出したの!?」


 シーカは驚くが未来は椿を握りしめる。


「うわぁ。いきなり爆発はダメだよ。だって視界が見えなくなるでしょう?」


 煙から一つの斬撃。


「アジュラ! 『数は五・展開・周回して待機』」


『神原幸治科学武器No.6』である本の紙が展開される。


 斬撃が到達し、全て紙で自動で防ぐ――が。


「!? 一つの斬撃で紙五枚も!?」

「ああ、『神原幸治科学武器No.6』の使い方が間違ってるなぁ」

「使い方が……間違ってる?」

「でも、それ持ってるんだったら、私も単発攻撃だけじゃ守れないかも」


 セルスは未来の言葉を無視してくいっと指を動かす。


 するとまた斬撃。今度は未来の方に飛んでくる。


「うわわっ」

『主しっかりせい!』


 椿の支援に感謝し、斬撃をなんとかかわす。


「……もうちょっと良い反応だと、私も認めれるんだけど……。ねぇ? アムール」

「みぃ」


 なんだか猫が頷いているみたいに見える。


 戦い馴れていないとはいえ、そんなことを言われるとムッと来るのは男の(さが)だろう。


 未来は地面を蹴ってセルスに近づく。


「はあぁぁ!!」


 横に振るのを、セルスは指を少し振るだけで刀が止められる。


 音も無く完全に静止状態にされたことに驚きつつ、刀を戻して反対になぎ払う。


「それじゃぁダメダメ。私に届かないよ?」


 またも完全に静止状態にされる。


「どうなって――」

『さがれ!』


 セルスが口元を緩ませると同時に零距離で斬撃が発動される。


 椿の声があって、横に回避できたのは奇跡だろう。


「その身に刻め……風の刃よ!」


 シーカの魔法がセルスに向かう。


「ちょっと遅いかな」


 それはセルスの前、数十歩で霧散して消えた。


「魔法を発動した風な予兆も無いのに!?」


 常識はずれなのだろう、シーカが舌打ちをして次の魔法を唱え始める。


 未来はその時間を少しでも伸ばそうとセルスに近づく。


「うぅん。積極的に攻撃するのは感心するけど、相手の手の内を知らないかぎりそれは無謀と言うんだよ?」


 セルスから斬撃が飛ぶ。


 未来はそれを刀で防いだ……のだが。


「痛ッ」


 刀で防いでもそれは貫通したように未来の体を傷つける。


「ほら、次」


 さらに斬撃が飛んでくる。


 未来は避けなければいけないのかと思い身を低くして斬撃をくぐる。


「そうそう。そうやって避けないと。私の斬撃は貫通するからさ」


 続けざまに斬撃が一つ飛んでくるが、彼は舐めているのだろうか、シーカに言った言葉に、単発だけじゃといった。


 つまり連発ができる……。


 そして貫通と言う言葉にも疑問を持つ。


 五枚がシーカを斬撃が見えないように広がったのに貫通はしなかった。


 何が違う?


 未来は刀で切り裂くようにして弾くつもりだった。


 結果、貫通した。


 シーカは面で全てを受け止めるようにするつもりだった。


 結果、防がれた。


 ……違いがあるのは面かそれ以外か……。


 また一つ飛んでくる斬撃、と、ここでセルスがシーカにも斬撃を放った。


「シーカさん!」

「一つだけなら防げる……ッ」


 未来は避けて、シーカはアジュラで防ぐ。


 と、そこで気づく。


「……面? 斬撃は隅から隅まで全部防がないといけないのか!?」


 無理だ……。


 未来はそんな斬撃を覆えるような防ぎ方を持っていない。避けるしかない。


「正解。貫通なんてできたら『神原幸治科学武器No.6』の紙なんて防ぎようがないよ」


 クスっと笑うセルス。


「じゃあ次だね。私は何の魔法を使っているのでしょうか」


 まるでお遊びとでも言うようなセルス。


「隅から隅まで全部防がないといけないような魔法なんて無いわよ!」

「これまた正解。確かに、そんな魔法なんてあったらみんな憶えますよね? だって有利だもん。芯さえ潰せば魔法は解けるに対し、芯なんて無い魔法。どっちを憶える? って聞いたらみんな後者だよね。みんなゲームの才能あるなぁ」

「ふざけないでよ! 最高威力の魔法で……はあぁぁっっ!!」


 風が吹き荒れる。


 フィーとの場合では二枚使ってた紙を五枚全部使い、全てをセルスに叩き込むシーカ。


 それを、手を伸ばして少し動かす。


 すると紙は全て空中で静止。


「ど、どうなってるのよ! どうして動かないの!?」

「少し使い方を間違ってる。攻撃する時には、こうやって使うんだ」


 紙が鋭く、鋭く丸められていき、それは一つの長い……槍のような……。


 あれは……ダメだ!


「神殺しの槍……ロンギヌス発動」


 とっさの判断。


 未来はシーカの前に躍り出た。



====================



「ば、バカでしょあんた!」

「あ、ははは……。まさかバカって言われるなんて……。少しはねぎらってくれてもいいんじゃないかな?」

「だって……あいつの軌道をちゃんと見たの!? あたしからズレてたじゃない! 当てるつもりなんて毛頭無かったのよ!?」


 痛みで失神しそうだ。


 当たった場所は腕。


 見事に丸く穴が開き、そこから血は出てくる出てくる。


「……まさか踊り出てくるなんて……」


 セルスが感心したように言うが、それに反応できる状態じゃない。


 腕がもげるように痛い。


(どうしていつもボクばっかりこんな目にあうんだろうね。知らない森にいきなり出され、戦わされ……ったく。神様はボクのことが嫌いなんだろうか?)


 なんて冗談じみた事を心で思う。


「そんな自己犠牲力を持っていると、この先やっていけるか心配かな……」


 そう言ってセルスは近づいてくる。


 敵意は無く、未来のすぐ横に座る。


「ほら、貸して。大丈夫。私は医師でもあるから」


 シーカから未来の腕を取る。


「うん。これくらいなら大丈夫」


 そう言うとローブの下から針やいろいろと出すと、まず注射器を刺す。


 麻酔だろうか、痛みがどんどん引いて行く。


 続いて針に糸を通して縫っていく。


 足りなくなった肉は懐から薬のような物を出して未来にのませると、気持ち悪く再生し、それを整えたり、縫ったりして治した。


 こんな事できる薬なんてかなり進んでいるなって思うが、後でシーカに聞くと、とても高価なものだったらしい。


 あの気持ち悪く肉が再生する薬が……。


「はい、終わり。少しは安静にしてないとだめだからね」

「は、はい……」


 今さっきまで敵として戦っていたのにこの変わり様はなんなんだろうか。


 一体、セルスは何をしたいのだろうか。


「ところで、もう五分なんだけど」

「「え……?」」


 輪は光を更に強く輝かせ、――ボフッ


「「ゲホッゲホッゲホッ」」


 いきなり立ちこめる煙に溜まらず咳き込む未来とシーカ。


 これは……ただの煙!?


 風が吹いて、煙が全て霧散するまでずっと咳き込んでいたのをよそに、セルスはアムールと遊んでいた。


「これはどう言うことよ!」


 シーカがセルスに抗議する。


「ん? なんて言うんだっけ? 確かぁ……。ああ、ドッキリだ」

「ドッキリで済むと思ってんの!? 命が尽きたかと思ったわよ!」

「ふふ。悪いけど私は人を救いこそすれど、人を殺すなんて残虐な事はしないよ。それが魔の者に完全に同一化していなければね」

「みぃ」


 どうにか未来もシーカも死なずには済んだようだ。


 未来も五分と聞いた時は「ああ、終わったな」なんて思ったけど、全てセルスの思惑通りだったのだろうか。


「でもコレで確信したよ」

「何をよ……」


 仏頂面をしながらシーカはセルスを見る。


「厳しいことを言うようだけど、未来君。まだ君にその武器を持つ資格は無い。君じゃ武器の力に振りまわされすぎている。日本人だから少しは期待していたのだけど……」


 え……今、なんて……。


 未来はそんなことを言った覚えは無い。


 第一、日本人だってそんな証拠は同じ日本人でなければ分からないはずだ。


「ん? どうして君が日本人だって知っているかってことかな?」


 コクコクと頷く。


「簡単だよ。黒髪黒眼。私と一緒。まぁ私は濡れ羽色なんだけど」


 そう言ってフードを取る。


 そこには艶やかな黒髪黒眼で、まだ十四ぐらいにしか見えない少女の微笑む顔だ。


「かわいい……。人形みたい……」


 シーカが小さな……。本当に小さな声でセルスを評価。


 手が動いているのを本人は気づいているのだろうか。


「私の事はどうでもいい。だけど未来君。君は武器に振りまわされすぎている事に、自分でも気づいているんじゃないかな?」


 突然のセルスの言葉に、未来は心にぐさりと刺さるセルスの言葉になんとか堪える。


「頼り過ぎて、武器をまともに振りまわせていない」


 ザクッ


「しかもその武器は対になっているはずのもう一つの武器が顕現できていない」


 ザクッ


「もう一度言おう。君にこの武器を持つ資格は無い」


 未来は奈落の底に落ちたような感覚に陥る。


 強くなりたい。でも持つ資格が無い。


「ボクは――」

「バカ言わないで!」


 ふと顔を上げる未来。


 そこには涙に滲んだ目をセルスに向けていた。


 そこに、先ほどまでのほやほやとした空気は漂っていない。


「確かに未来は弱いかもしれない! でも! 彼はこうやってあたしを助けてくれた! 当てないように照準された魔法でも、彼は助けてくれたのよ! そんな彼に、資格が無いですって!」


 セルスは目を開いてシーカの言葉を聞き続ける。


「何の資格か知らないけどね! そんなこと言わせない! もし、魔法が当たるようになっていたのなら! 彼のような人がいなければあたしは死んでたのよ! 私が保証するわ! 彼は世界中の……あの英雄よりも強くなると!!」


 言い終わったのか、シーカは肩で息をする。


「シーカさん……」


 未来はそのシーカの言葉に自分の心に力が入ることを感じる。


 強くなる。その言葉に未来はどれだけ助けられたか……。


 セルスは頭の後ろをぽりぽりと書いていて、呆れたようにしている。


「別に契約を解除しろなんて言ってないけどなぁ」

「けい……やく?」


 シーカは頭にハテナを浮かべる。


「だから、私も彼の事が気に入ったから鍛える」

「へ?」


 聞き間違いかな……。


「だから、鍛える」

「……えっと」


 聞き間違いであってください。


「私の武器、『神原幸治科学武器No.16』シルク・ストリングで操った人形数人を同時に相手してもらうよ? 超合金製で作られた糸だから切られる心配は無いしね」


 目が笑ってない。本気だ……。


 そしてなにげに自分の武器紹介してるし……って言うか英雄の武器使ってた事に驚く。


「で、でもボク、腕ケガして……」

「男ならそれくらい我慢」

「安静って……」

「忘れた」

「忘れちゃダメだと……」

「そんな話したことも無い」

「医師なんでしょう!?」

「医師でもあるって言っただけだし」

「でも……ボク女の子と戦う気なんて……」

「ああ、じゃあ大丈夫だね」

「?」



「だって私、男だし」



 一時(いっとき)、いや、数分は時が止まった。


「何? 私の事、女だと思ってたの? 失礼だなぁ。ねぇ、アムール」

「みぃ……」


 その時、アムールの鳴き声が未来とシーカを同情しているようにも聞こえた……。


「あ、私視力ゼロだし、村まで魔眼使って周りを見たりしたくないから私と手をつないで行ってくれたらいいと思うな」

「は!? 魔眼!?」

「うん。千里眼って知ってるでしょ? 日本人なら。使ってるうちに視力無くなっちゃってね。だからこれ普段から使って君たちの表情とかここ数キロ全部見てるんだけど、それにちょっとしか魔力使わないけど……めんどくさいから村まではパスで」

「意味わかんないよ!?」

「魔力少しなら別にいいんじゃない!? ここからなら数分よ!?」


 問題発言の後、未来とシーカはセルスを連れて、エド村まで、歩いて戻った。


「って言うか歩けよ!」

「いや~。ここまで歩きっぱなしだからさ? 未来君なら背中に乗っても良いかな~って」

「ボクが重いんだけど!? それに……ちょっと柔らかい……」

「ん? 何? 最後の部分聞こえなかった」

「言わせるな!」


 ……大変な人が仲間(?)となった瞬間だった。

お久しぶりです7話以来の長谷川 レンです。


少なからず詩歌さんに「おい、お前」と言いたい衝動がありますw

まぁ気にしない事にして。


今回の話。未来に穴をあけてしまったことに罪悪感があります。

ごめんね未来!

一応セルスが治してくれたから大丈夫だと思いますけど……。


そして……。


思いっきりフーリィを流してやった感があります♪w

ザマアミロ詩歌さんww


そして頑張れコンフェクトさん♪

私はそれ以外には何も言いません♪


さて……ここらでコンフェクトさんに睨まれそうなのでお暇しますか。


ではまた、見てくれてる読者の皆様に感謝しつつ、バイバーイ。



長谷川 レン

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ