第2話 告白の夜
たとえば、人はどんな事を秘密にしたいのか?
人に知られると困るには違いない。
自分の人格を疑われる、見た目とのギャップを悟られる?
あまりにも反道徳的な事に関係してしまった?
いや、自己を守るために押し黙っている事がある?
それを人は【秘密】と言うのだろうか・・・。
最初はごく些細な秘密で始まる。
『テストで15点とったのをママに黙ってました。小学生の頃の話です。』
へえ~、可愛い。留美子は顔がほころぶ。
『僕の初体験の相手は、姉です!』
ゲッ!近親相姦?それはいかんやろ。しかしこれは意外に多く、数人いた。
姉と弟、母と息子、父と娘 家と言う密室で恐ろしい事が進行しているのかとドギマギする。
『私は、教え子と関係を持ってしまいました。』
『先生が好きなんです。放課後、教室でキスしてしまいました。』
オオ、それもタブーじゃん?と思っていたら、しだいに場内は熱気を帯び、
だんだん告白はエスカレートする。
『バカなジジババ相手に、嘘の投資話をして、大金を巻き上げました。』
『つい最近まで、振り込め詐欺の一味にいました。なぜ、足を洗ったかって?
仲間割れしてやられそうになったからです。』
『ある殺人事件を起こし、今逃走中です。もう何年も逃げています。』
『私は、ある事件の目撃者です・・でも、それを言うと、妻に内緒で浮気してたのが
ばれてしまうので、黙っています。』
オオ・・犯罪関連の秘密も結構あるな~と単純に思っていた。
(しかし、これ、やばくない?)との考えもかすめはする。
『実は、私、とってもブスだったんです。整形して、玉の輿に乗ったはいいけど、
夫の身内が跡取りを欲しがって、困っています。』
『私は、会社の不正を知ってしまい証拠を掴んだので、告発したいのですが・・・
妻子の事を思うと踏み切れません・・。』
『私は、銀行に勤めてますが、ギャンブルに狂い、数千万横領してしまいました。
まだばれてませんが、ちょっとヤバいかもと感じ始めてます。』
百八の秘密を聞くのは結構しんどいが、神経は異様に高ぶっている。
しかし、参加者たちはまだ気づいていなかった。
自分たちの秘密が、闇で売買されていたことを・・・
そして、話が盛り上がると、その事を動画サイトやネットに投稿しようとした参加者がいたが、
すぐさまどこかへ連れ去られていた。
翌日、近所の河川には舌と目を抜かれた死体が何体か浮かんでいたのだ。
留美子はしだいに自分の順番が来るのを息苦しく思う。
(この程度の秘密じゃ、恥ずかしい・・)
しかも、自分の秘密でもない。同僚のだから。
だんだん、人と張り合う気持が出てくる。秘密も脚色したくなる。
留美子は、今までにない秘密を考えださねば・・と思っていた。




