無表情の王子様
とある大陸の大国に一人の王子がいる
彼の名をヴェザイン=アデイル、大国の第一帝位継承者にして完全無欠の完璧皇子して知られている
しかし、そんな彼には名前より有名な別名があった
ヴェザイン自身は気に入っているその名は【無表情皇子】
小さいころから帝王学を学び、子供とも遊ぶこともなくひたすら国の直後継者として育て上げられた彼は表情に感情がこもる事が出来ずにいた皇子であった
しかしいくら何でも、大国の皇子に大して無表情皇子と言うのはいただけないだろう
しかし、このヴェザインの【無表情皇子】は決して彼を揶揄する言葉ではなかった
このヴェザインは、才色兼備完全無欠の完璧皇子であった
そんな彼が表舞台に立ったのが彼が15の時であり、災害によって周辺地域の村や街が貧困状態で窮地に立たされたときであった
援助物資は災害の影響で届かず、馬の数も足りなかったために十分な荷物すら載せられず届けられずと言うとき
彼は表舞台へと来た
彼は皇子の権限の元に帝都にあるすべての運送ギルドを使い緊急時の時に一体化する事
災害地域から近いまだ余裕がある村や街から駅伝方式に荷物を渡していきなるべく時間をかけずに届ける事
そして、今後にそなえて道の整備と水路の確保、さらに馬の駅を作ることを打診した
これによって、すべてと行かずとも六割の問題は解決され彼は瞬く間に帝国の英雄となる
そして、すこししてから国民の間で民に近しい英雄の皇子として崇拝の気持ちをも込めてこう呼ばれるようになった
民を助け導く【無表情皇子】
これが、彼のこの呼び名の起源であった
「おい兄貴、見てみろこの子なんてかわいいし性格よさそうじゃん」
「待ってください殿下、その方は確か毒舌がすごく性格もきついと有名ですよ」
「そうなのか、いや~綺麗な薔薇には刺があるとはこのことだな」
「そうですね、あ! この方はどうでしょうか」
「いいんじゃねぇか? あ、でもなんかこの経歴がウソっぽいな」
「確かに、孤児院の援助に教育費の無償化? これだけの事をやればこちらの国にも噂は来るでしょうし」
大量の紙を机に並べ、三人の男たちがそれぞれ真剣にそれを見つめていた
「殿下? 殿下はどうお考えでしょうか?」
「・・・そうだな、やはり会ってみんことにはどうもな」
「兄貴は紙の資料は信じないタチだからな」
「しかし、今回呼んだ姫は40名ほどで、ある程度目星をつけておいた方がよろしいかと思われますが」
「・・・・・」
「殿下がそういうのを好まれないことは存じております」
「だな、兄貴は誠実過ぎるって、もっと弾けようぜ?」
「あなたみたいになっても困りますが・・・・」
「そうそう俺みたいに・・・・どういうことかな?」
「そのままでしょう、ヴェザイン殿下どうか頑張ってください、あなたの生涯のパートナーを決める大事なことなんですから」
「わかっている」
「そうそう、がんばって俺の義姉さんを作ってくれよ」
ここはアデイル帝国、帝都の城の一角にある執務室である
一人は帝都四大公爵家の直後継者、名をサエル=カタール
かれは東洋系の顔立ちをしていて、髪は一般的な茶色で瞳は黒い色をしている
また一人は、帝国第二継承者にして第二皇子ザリーア=アデイル
皇族特有の銀の髪と瞳を持ったやんちゃな皇子だ
そして最後に、背がスラリと高くあまり喋ることのない人
彼こそがこのアデイル帝国直皇帝にして別名としてもしられる完璧皇子
しかし、別名ともあって先ほどの会話でも一度も表情を変えることもなく淡々と喋る皇子であった
「俺としては、あまり言っていいものではないのだろうが恋愛の結婚がしたい。 だから直にあってそして決めたい」
「・・・・それでこそ、我が親友にして頼りになる皇子ですね」
「ああ、兄貴の以外にもそういうのにも興味があったんだな!」
「そうだな、そうかもしれんな」
あと数日で始まるであろう自分の王妃選びに期待感が膨らむ皇子ヴェザインであった
ただし、まったくの無表情でもあった