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王女の正体


世界は不思議な事にみち満ちていると私は思う

例えば、17年という時を過ごした私が実は過去に17年という年月を過ごした一人の女性を体験していることとか

例えば、生まれる前に神様らしき人に間違いで死なせてしまったので転生してちょうだいなと言われてしまう

そんな不思議な世界


今でこそ私はカサリア王国という一国家の王女として生きているが、昔は「橘 衣佐奈」という名で平凡な人生を送っていた少女だった

リーナとなって17年だというのに未だにその時の記憶が脳裏に鮮明に残っているのだから不思議なことだ

衣佐奈の人生は充実感あふれる生活であり、虚しく悲しい記憶でもあった

衣佐奈は交通事故というありふれた事故で死んでしまった

信号を渡っている最中にトラックが突然飛び出してきたのだ

これは忘れてしまいたい記憶なのだけれど、特に鮮明と残っている記憶


そして、一瞬の痛みと共に訪れたのは心地よいものだった

目をあけると、そこは何もない真っ白な空間

だけれど、どこか心地いい気持ちにさせてくれる所だった


「ここ、どこだろう?」


私は第一声にそんな言葉をだした、それ以外にもなんで私無事何だろうとか言うことはあるだろうに

そして、そんな私の言葉に答えるかのようにして仙人のような恰好をした背の低いご老人が目の前に現れたのだった


「すまんかったな、お主はちょっとした手違いに死んでしもうたよ」


さて、みんなに聞いてみようじゃないか

どこだか分からない場所で誰だか分からないご老人にあなたは死んでしまったと言われて素直に「はい、そうなんですか」と、答える方はいるだろうか?

いたとしたら、そいつは本当のバカか相手の言葉を本気にしやすいバカだけだ


「気にしないでいい、お主はしかるべき場所に転生をさせるつもりだ」


「おじいさん? えっとどこの老人ホームから抜け出してきたのかな?」


「今の儂の言葉から何故そのような答えが帰ってくるのかが分からぬ」


もともとボケた老人の方と接する機会があった私は、こんな変な言葉を口にする人を何人かみたことがあった

たぶん、この人もその一人なのだろう

しかし、まぁここはのってあげたほうがいいのかもしれない

そんな軽い気持ちでその時の私はいた


「まぁよい、そなたには小国であるが裕福で豊か活安全な国の王女になってもらう」


「王女様?」


「そうだ、しかも傾国の美女となれるほどの美貌付きじゃ、これほどのいい人生はあるまいて」


「いやいや、そんな美人だったらどこかの大国の王子とかに奪われちゃうんじゃないですか? それ以外にもほら誘拐とか政略結婚とか・・・・陵辱とか、不幸な人生が切り開けそうなんですよ。 だから平凡で構いませんよ?」


小説ネタの言葉が得意だった私はある程度想定できる最悪の可能性をおじいさんにぶつけてみる


「そうじゃのう、しかしもう変更は効かないしなぁ」


変更は出来ないという設定なのか、じゃぁそうだな

私が考える中で、この設定で最悪な事を回避できる答えは・・・・


「・・・・それでは追加という形は可能でしょうか?」


「追加? それならまぁ」


「でしたら、変身という能力をつけることは可能でしか?」


そうだ、変身すればよいのだ

美貌がもともとあるのなら、その上から平凡を塗り書きすればいい

そうすれば最悪な事までは起こることはないだろうから


「わかった、それをやってみるとするか。 では二度目の人生を歩とよい若いお嬢さん」


「え?」


その言葉と共に白い空間はひび割れ初め消滅していく


「ちょ、ちょっとまってぇ!!」


その時ようやく私も気がついて思い出したのだ

自分が死んでしまったのだということに


でもまて? いくら平和の国とだとしても王族だよね?

危険は付き纏うよねぇ?


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