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贈り物

アデイルの城下町は世界的に有名な銅器が数多くある

得に庶民にやさしい値段で形も美しいと評判なのが薔薇模様の瓶である

瓶の形も様々で、時には花を生けるためのためのものだったり、紅茶を飲むためのコップ型だったり

とにかくすばらしい物ばかりだ


さて、なぜ私がこんなことを突然と言い出したかというと今日の朝、ソフィアが侍女長を通じてヴァー様からお見舞い品としてその、花を生けるためのバラ色模様の瓶を贈ってくださったからだ


「本当に精巧なつくりね、見ていて見惚れてしまうわ」


機械が発展していないこの世界で、これほど精巧な物を手作業で作られている

すばらしいとしかいいようがない


「ヴェー様に感謝しなければね」


そういえば、あそこの薔薇もとても綺麗だった・・・


「どうかされましたか?」


「…っえ!? な、何が?」


「顔、真っ赤です」


ほ、本当だ!!

何で真っ赤になってるんだろう、私


「なんでもない・・・、そ、そうだ。 ヴェー様にお礼のお手紙をお書きしなくちゃ!!」


「はぁ・・・」


純粋に何故顔を真っ赤にしているか聞いてこないで!!

なんだ、なんなんだこの感情は!? 異様に恥ずかしいぞ!!


リーナは、早速ソフィアに紙を持って来てと頼んだ、わかりましたといい一旦部屋に出たソフィア

完全に扉がしまるのを確認すると、テーブルの上にあった瓶に手を伸ばして掴もうとした


「とどかない」


足を伸ばすようにして椅子に座っていたために、テーブルの真ん中にあった瓶には届かなく仕方なく立ち上がり瓶に手を伸ばた


瓶に書かれている薔薇をのぞき込むように見つめると、やはりこの間のお茶会の光景が脳裏に浮かんできた


いい香りの庭だったな、それに整えられた色彩がとてもよかった

そして・・・


『ヴェーと呼んでくれないだろうか?』


彼の言葉を思い出す




拝啓 ヴェザイン殿下


この度は、私の為にこのような素晴らしいお品をお贈りいただきありがとうございます

殿下寛大なお心と優しさに私は胸を打たれたようです

体調は殿下の御陰もあり随分回復いたし、今日は数日前とうってかわり早くベットから出て外へと行きたいなどと言っております


殿下より頂いたこの瓶を見ると、お茶会の殿下と過ごした暖かな時間を思い出すようでありました

おこがましいようでありますが、また殿下と共にお茶をご一緒できる日を楽しみに待っています


リーナ=カサリアより




最近殿下の様子が可笑しいと気がついた

可笑しいと言っても、微々たる変化なのだが来週の一週間の内に空いている時間があるかと珍しく聞いてきたり、手紙はどのように返せばいいかなどだ

いや、・・・・微々ではないかなりの変化のようだ


「わかってねえなぁ、それはあれだ」


「なんですか?」


流石に変わってきた殿下の事が気になり、ザリーア殿下に助言を求めると想定だにしなかった言葉がかえってきた


「兄貴はまだ気づいてねぇだろうが、恋だろうな」


そういえば、そうなのかもしれないと俺も思ってしまった


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