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マッドサイエンティスト異世界で神をやる  作者: 竹馬の友
世界でたった一人の勇者編

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騎士道王女は過去を語る2

 「それで? お姫様は魔法も剣術もできる万能型ってところか。本当に厄介だな」



 「例えSランクであろうがわたしを討ち取れると思うなよ?」



 わたしはわたしの持っている剣であるラグナロクの剣先をカラクに向ける。



 「そうかい・・・でも、こっちもSランクなんだ。勝ちに行かせて貰うぜっ!」



 その瞬間、カラクは炎剣エンバーフレイムを振り、炎の飛ぶ斬撃を繰り出していた。だがわたしは気にせず突っ込む。



 『ウィンドブラスター』



 わたしは風でカラクの斬撃の軌道を変えながら突撃する。



 「あまいな」



 わたしは軌道を逸らしたがカラクは後ろにまだもう一つ炎の飛ぶ斬撃を仕込んでいた。突撃した今、回避は間に合いそうにはない。



 『白銀の戦乙女(ホワイトバルキュリア)



 わたしはそう唱えた瞬間、白銀の鎧が白銀の鎧が形成される。



 「っ!」



 わたしは炎の飛ぶ斬撃を受けながら無傷で突破する。ホワイトヴァルキュリアは魔法の氷の鎧を形成し、鎧の周囲には常に風が纏わりつき風と氷の二段構えで防衛してくれる。それらで炎の斬撃を防いだのだった。



 『灰世界(モノクロス)



 それには殺意がのっていなかった。いや、殺意がのっていないからこそ秘匿性が増した一撃となっていた。だが、わたしは獣人であり、それ以外の情報を見れば例え相手の一撃必殺も避けられる!



 『スカイウォーク』



 わたしは大気の足場を使い、飛んで回避する。さらにはわたしは大気中に足場をまた作り高速で渡り歩きながらカラクを攪乱していく。



 「そこだ!」



 わたしは大気の足場を蹴ると低姿勢でやつの懐に入り込むと横っ腹を切り裂いた。



 「これがお姫様の攻撃か。痛てぇじゃねえか」



 カラクはそれでもまだ余裕そうだ。さすがはSランクといったところだろうか。



 「これは長期戦になりそうだな」



 こちらもまだ消耗していないが相手もまだ消耗していない。こちらが脇腹を抉ったからダメージは通っているだろうが相手の顔は全く焦っていない。



 「もしかしてお姫様は何か勘違いをしていないか?」



 「何?」



 わたしはカラクの言葉に耳をかした。



 「なんでここでおれがこんなことしてるかっていうことだよ。呑気に戦おうとしてるがおれの他にいないと思わなかったのか?」



 わたしはそれで気づいた。



 「まさか! 仲間!?」



 それでわたしは最悪の可能性が頭をよぎった。今現在この国の主戦力たる騎士団は壊滅。そして仲間が攻めるのはもちろん・・・。



 「お父様たちが危ない!」



 おれは咄嗟にこの場を離れ、お父様たちの元へ向かうためお父様たちがいるであろう背後の方に振り向いた。だが、わたしの動揺をついた油断が勝負の決め手となる。



 「よそ見は厳禁だぜ」



 わたしは咄嗟に顔だけ振り返る。Sランク冒険者を相手取るにはその隙は致命的すぎた。カラクは炎剣エンバーフレイムとは違うものを手に持っていた。またポーチから武器を取り替えたのだろうか。だがカラクが持っている武器は異質だった。



 「持ち手しかない剣?」



 カラクが持っていたものは剣と呼ぶには異質だった。剣としての持ち手はあるのに剣身が存在しない。何か特殊な能力があるのだろうか。わたしは咄嗟にラグナロクで受ける姿勢を取った。だが・・・



 「残念ながら防御無視なんだ。『N()o().()1()』」



 カラクが放つ一撃はわたしのラグナロクとホワイトヴァルキュリアを紙のように斬り裂きわたしの体をも斬り裂く。



 「グハッ」



 わたしはその一撃で倒れ込んだ。



 「この武器は聖器ってものに分類される武器でな、切れすぎてこの次元ごと斬り裂くんだ。そのせいでこの次元に刀身が存在出来なくて見えなくなってるってわけだ」



わたしの意識がだんだんと離れていく中カラクはその武器の種明かしをしていく。そしてだんだんと内容も頭に入ってこなくなる。そうしてわたしはカラクに敗れ意識を失った。



 ・・・



 わたしが目を覚ましたときに最初に視界にうつったのはノーゼンだった。



 「傷が・・・」



 わたしがカラクに付けられた傷は何故か回復していた。もしかしてノーゼンが回復してくれたのかもしれない。だがその後ノーゼンはわたしが予想していなかった行動に出た。



 『跪いて許しを乞え』



 その瞬間からが強制的に動く。



 「なんだ!?」



 そこで自分の状況に気づく。



 (首輪・・・まさか! 奴隷契約!)



 「ノーゼン! お前がやったのか!」



 わたしは目の前にいるノーゼンを睨む。するとまたノーゼンは命令を出す。



 『さあ少し移動するぞ。ついて来い。余計なことはするなよ?』



 ノーゼンの言葉ともに体が勝手に動く。そして突然ノーゼンは語り始める。



 「俺はなぁ。お前らにうんざりしてたんだよ。どいつもこいつも・・・俺は選ばれた存在なんだよ。そんな俺が下民どもに感謝しろだの配慮しろだの。うるせぇんだよ」



 そうしてある場所に辿り着く。そこはわたしがカラクに敗れた場所だった。そこの2階の風景を覗ける部分から見る。



 「お父様! お母様!」



 そこにはわたし以外の王族が捕まっていた。あたりはノーゼンの味方であろう人たちと痛みなどによるうめき声が広がる。そして、王族たちの背後にはカラクが陣取っていた。



 『フェリシア、そこで動くな』



 わたしの今にも飛び出しそうな足が急に動かなくなった。そしてノーゼンは無情にも宣告する。



 「さあ、カラク。忠誠を示せ」



 そういうとカラクは剣を取りお父様に向かって近づいてゆく。お父様はこれより前に随分と抵抗したのかすでに声をあげられないくらいボロボロだった。カラクはお父様の前で剣を上段に構える。今からやろうとしていることは明白だった。



 「やめろ・・・やめろぉぉぉぉ!」



 その言葉は届かない。剣の刃は首を通過し、首と胴を突き放す。



 「うそ・・・お父様」



 それを見てカラクは笑い出す。



 「はあああ! フェリシア! 今のを見たか? あれが俺を邪魔するものの末路だよ」



 「ノーゼン!」



 わたしは今にもつかみかかりたい勢いだが体が思うように動かない。そしてまたカラクが動き出す。



 「やめろ・・・やめてくれぇぇぇぇぇ!」



 その言葉は虚しく響く。そして、淡々と殺害は続いていく。



 「グロリオ兄様! ネモ!」



 わたしとノーゼン以外の王族は全て皆殺しにされた。



 「騎士としての誇り? 王族は全部死んだぞ?」



 ノーゼンはわたしを蹴り上げ踏み躙る。



 「ノーゼン! わたしはお前を許さない!」



 わたしは全ての怒りをノーゼンにぶつけた。



 「それは騎士としてか?」



 ノーゼンはそう聞くとうんざりしたように怒鳴りだした。



 「騎士の誇りが俺は一番嫌いなんだよ! 俺が良ければいいんだ! 民のためだと? ふざけるなよ」



 そうしてノーゼンはわたしを蹴る。



 「ノーゼン様。任務完了しました」



 そんな中。わたしを蹴っている最中に大男がワープするように現れた。



 「ああ、うまくいった。流石は()()()()()()()()()()だ」



 「なぜ・・・ドラゴンズチルドレンがそこで出てくる」



 わたしはノーゼンの言葉に反応するとノーゼンから衝撃の言葉が返ってくる。



 「何故って? そりゃあ、ドラゴンズチルドレンがこの革命に協力したからに決まってるだろ」



 わたしはその言葉を聞き絶句する。そしてさらに衝撃的な発言をする。



 「約束は果たしてくれますよね?」



 「ああ、この国を竜の生贄を生み出す牧場にすることだろう?」



 「なんだと?」



 そこでわたしはドラゴンズチルドレンの恐ろしい計画を知った。



 「この計画が終了したら町ごとに生贄を用意させましょう。そして魔素が豊富に含まれた栄養ある生贄を選ぶのです」



 大男とノーゼンがそうして笑いあっている。



 「ふざけるなよ! 民を何だと思っているんだ!」



 わたしは怒りを爆発させた。だが、わたしは無力だった。体も自由に動かせず、攻撃もできないし、防御も無防備だ。ノーゼンはまたわたしの方に来てわたしを蹴り上げた。



 「下民をどう扱おうが俺の勝手だろ?」



 その後、何回かわたしを蹴っていたが突然ノーゼンは何かを決めたように止まる。



 「貴様はそれでもそんなくだらない誇りを持っているというのか? ならば、その誇りをへし折ってやろう」



 そういうとノーゼンは早速行動を開始する。



 「貴様の誇りなど無意味の場所を用意しようじゃないか」



 「ノーゼン! わたしは貴様を許さない。必ず貴様を!」



 「ほざいていればいいさ。精々性奴隷にでもなって自分が誇りなどという何も役に立たないものに縋りついたことを後悔すればいい」



 そうしてわたしはクーデターの後、奴隷として貸出されるわけになったのだ。



 ・・・



 「そういうことがあったんだ」



 オレはその話を聞いて相槌を打つ。



 「どうやらドラゴンズチルドレンはこのファングロアでとんでもない計画をしようとしているようね」



 フォルトゥナは考えている仕草をする。



 「他の国からもこのことを察知していないなんて・・・」



 「おそらくは巧妙に隠しているのだろう」



 フェリシアの言葉にフォルトゥナは納得する。



 「確かに、ファングロアは現在国境とか人の通る場所を厳しく取り締まってる。さらには国内から外に出ることも禁止している。それに精霊はそもそも楽しくない場所には行かないし、クーデター以後で精霊が極端に減ったからポリシアも探知できなかったのか」



 「精霊ってそういうことに使えるならポリシアが精霊に残るように頼むってことはしなかったのか?」



 オレはそう思ったがとうと精霊に否定される。



 「まったく。せいれいをなんだとおもっているの? あたしたちはあくまでじょおうさまのおねがいをきいてあげてるだけであってね。さしずなんておこがましいよ。それじゃどうぐみたいじゃん。あつかいがひどいよ。たのしくない。わたしたちはじぶんのいしでこうどうしたいの!さしずするならだれもじょおうさまのたのみなんてきかなくなっちゃうよ」



 「あっ! ダメなんだ」



 オレが気になっていた部分は解消された。オレが納得した後、フェリシアが本題に戻した。



 「そういう理由もあってわたしはやつを・・・ノーゼンを倒し、国民を助けなければいけない。それがあの日、何もできなかったわたしができる唯一の贖罪なのだから」



 フェリシアは決意をはっきりと言葉に示す。



 「そのためにはまず戦力を集める必要がある」



 「戦力? 他に仲間がいるってことか?」



 オレはフェリシアに問いかけた。



 「このフレイモア領を統治している当主サナトスの妻は過去にドラゴンズチルドレンに殺されている。ドラゴンズチルドレンを相当恨んでいるのでわたしが生きているとなれば協力してくれるだろう。もし、ドラゴンズチルドレンが関わっているということも伏せられている可能性も高いしな。そのことを伝えれば快い返事が貰えるだろう」



 「ならば、今すぐにいけば・・・」



 「いや、それはここを統治する家柄が変わっていなければの話だ」



 フェリシアはもしかしたらの話をする。確かにそうなれば逆にこちらが危険になる可能性があった。



 「それにこれを行うにも準備は必要だ。作戦は三日後ぐらいが妥当だろう」



 確かに情報も何もかも足りていない。それにオレの守護の剣の状態も酷かった。どこかで見てもらわないといけないだろう。そうしてオレたちは準備期間に入るのだった。

 ダンジョンの遺物⑦



 名前 簡易障壁のネックレス

 分類:防具

 一度だけ障壁を展開できるネックレス。空中にそのまま留まることができ、足場としても利用可能。一度障壁を展開すると効果は無くなる。


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