劣情の王は粛清する
一つ前の話がわかりづらかったので大幅に修正しました。見返してくれると助かります。
ノーゼン・フォン・ファングロア視点
『鑑定』
俺は紅茶を飲む前に鑑定を使う。
「・・・毒か」
俺は紅茶の入ったカップを静かに置いた。
「おい! これに関わったものを今すぐに呼べ!」
俺は手下どもに命令を下す。
「くだらない・・・毒ごときで俺を殺そうなど」
俺は席を立ち上がった。そしてテーブルに置いてある本を手に取る。
「おい! ボレアース!」
俺の声に合わせて大男が突如姿を現す。
「お呼びでしょうか。ノーゼン様」
「仕事だ」
俺の言葉を瞬時に理解するとボレアースは準備に入った。
・・・
「この四人が今回の事件の容疑者で御座います」
俺の前には拘束された四人の男女が手足を拘束されていた。俺は手に持っている本を開きながら目的のページを探す。
「なんで、捕まって・・・」
「口を慎め、低脳。お前が喋っていいと誰が言った?」
「ぐぶっ!」
俺はわざわざ近づくと低脳を蹴り上げた。
「すみません! すみません!」
低脳は頭を深く下げている。
「あ? 喋るなっていたのが聞こえなかったのかぁ?」
俺はさらに低脳を蹴り上げた。
「ノーゼン様」
「なんだ? ボレアース」
ボレアースが俺の行動を注意する。
「これ以上は尋問する前に会話ができなくなるかと」
「それもそうだな」
俺はボレアースの言葉ももっともだと思い、低脳を蹴るのを止める。
「さて・・・貴様ら、なんか見覚えあるだろ?」
俺は容疑者の四人を見る。
「「「「・・・」」」」
誰も喋らない。ボレアースはこの尋問の詳細を伝える。
「紅茶の中に毒が入っていました。あなた方の中に犯人が潜んでおります。料理、運搬などあなた方は紅茶を作る工程で何かしらの工程に関わっていますね。あなた方は容疑者なのです」
ボレアースの説明に四人は青い顔をする。
「さて、誰が毒を入れたんだ?」
「「「「・・・」」」」
俺は四人を見渡すが誰も喋らない。
「どうした? 喋ってもいいんだぞ?」
俺の言葉に右から三番目の女が喋り出した。
「ク、クラリスが怪しい動きをしていました」
女は隣の右から二番目の女を指差す。
「ほう? この女が犯人だと?」
クラリスと呼ばれた女は自身を疑われたことに焦り出した。
「なんで? それならアマンダだってランクだって怪しい動きをしてたじゃない!」
クラリスと呼ばれた女からはクラリスを疑ったアマンダという女とランクという低脳の二人に飛び火した。三人の争いは続いていく。
「全く・・・醜いものだ」
俺は思わず笑みが溢れる。他人に罪をなすりつけ合う様はまさに滑稽だった。
「名乗りでなかった場合、貴様らの大事な人を処刑する」
俺はさらに火を投入することにした。
「クラリスあなた! 怪しい行動してたじゃない!」
「いや! わたしにそんな暇なんてないわ! アマンダこそ、あなたなら毒を入れられるし、ランクもそうじゃない!」
「な! おれはやってない! それにアマンダとクラリス! お前らこそ怪しい行動をしていただろ!」
醜い攻防はさらに醜くなっていった。笑みが止まらないよ。だが、その攻防に一人だけ混ざってないやつが一人。
「おい! そこの男! お前はどうなんだ?」
「・・・」
その男は無言だった。俺が聞いているのに黙るとは。
「死にたいみたいだな」
俺はそいつに近づくがあることに気づいて咄嗟に後ろに避けた。
「っ!?」
「ちっ!」
「拘束のロープが切れてる・・・。ナイフで切ったか」
その男はどうやら体にナイフを隠していたようで俺に向けてナイフを構えていた。ナイフを構えた男は言う。
「俺は知ってるぞ! 奴隷の命令は声が聞こえる範囲か、触れるかでしか発動できない! つまりは人質に自害の命令なんてできないってことをな! お前をここで殺して、姉ちゃんを助け出す!」
その男は俺に向かってナイフを振り回す。
「少々、俺を舐めているようだな」
俺は手に本を持ちながら、ナイフを交わしていくと本を持っていない方の手で腹に一発、頭に一発とカウンターを決めていく。
「俺はフェンリルの獣人だぞ? 貴様ら雑種とは根底から違うんだよ」
俺の攻撃に男は膝を地面につける。
「ノォォォゼェェェェン!」
俺はこちらに向かってくる男の頭に回し蹴りを喰らわす。
「ぶぇ!」
「ふぅ」
男は吹き飛ばされるが不敬にもまた立ち上がった。
「お前の人質など無意味!」
男はもう立つことも精一杯の状態だったが頑張って立ちあがろうとしていた。
「人質がハッタリと言うか・・・」
俺はそれにニヤリと笑みを浮かべる。
「ならば今ここで試してみようじゃないか」
「何?」
この尋問の前にこいつらの人質の名前は把握している。こいつの人質の情報も当然この本に載っているためもちろん把握していた。全く、奴隷が多すぎて命令のときに本名を思い浮かばないと識別できないのだけは不便だな。
『サリー、自害しろ』
俺の言葉が部屋の中に響く。
「・・・ボレアース、あれを持ってこい」
「かしこまりました」
その言葉と共にワープするようにボレアースの手にあるものが抱えられる。
「死にたてでございます」
その首は俺に渡されるが俺もいらない。温かい感触が手に伝わる。俺は男の方に放り投げた。
「ほら! お前の姉だ」
それは男の方へ転がっていく。
「おねえ・・・ちゃん?」
男はなんとも珍妙な顔をしていた。
「うそだ・・・うぞだぁぁぁぁぁぁぁ!」
男はその首を抱えて泣いている。
「貴様がこんなことをしなければ姉は生きていたのにな」
「あああああああああああノォォォォォォォォォォォォゼェェェェェェェェェェェェン」
「お遊びはここまでにしましょうか」
ボレアースがそう言った途端男の首から上が弾け飛ぶ。そして男はそのまま動かなくなった。
「は、犯人はあいつだ」
「やったー」
他の容疑者は犯人が見つかったことに喜んでいた。だが・・・
「他の奴らが今後同じことをしないように知らしめないとな。連帯責任だ」
俺は人質となる奴隷の名前を連想させていく。
『自害しろ』
その言葉と共にボレアースは動き出した。
「こちらがお望みのものです」
この言葉と共に次々と三人の容疑者の前に頭が地面に転がる。
「い、いやーーーーー」
「おやじっ、母ちゃんっ!」
「そんな・・・アレク!」
三人は各々反応を示してくれる。そんな中、低脳がこちらに向かって飛び出してきた。
「話が・・・話が違・・・」
俺に向かっていった低脳は俺にたどり着く前に頭が爆散した。
「誰は助けるとは一言も言ってないぞ?」
その言葉と共に残りの者も発狂する。
「きゃああああああああああああああ」
「うるさいな。殺せ。ボレアース」
「かしこまりました」
ボレアースの掛け声と共に血飛沫が舞う。
「・・・」
そして部屋には血の匂いが充満した。俺は用が済んだためこの部屋から出ていこうとする。
「ボレアース。片付けを頼む」
俺はそのままドアノブに手をかけようとしたとき俺が本に異変が起こる。
「っ!?」
突然本が光った。
「これは・・・誰かが解放された? おい! ボレアース! 人質はどうした!」
俺はボレアースにたずねる。
「ただいま確認を・・・」
ボレアースもすぐに確認しにいこうとする。俺はその光った部分を開いた。
「ボレアース・・・確認はいい。どうやら人質ではないようだぞ」
俺はそのページの内容を見る。
「フェリシア・フォン・ファングロア」
俺の姉か。奴隷にしたときマーキングを付けといたのだが、そうか・・・解放されたか。
「どうやら不穏分子が紛れ込んでいるらしいな」
「さようでございますか」
ただ奴隷になってから結構な歳月が経過している。もう壊れていても不思議ではないが。
「傀儡の王でも擁立しようというのか。煩わしい」
俺は姉の姿を思い浮かべて鬱陶しく感じる。
「ただ、今のやつがどれほどみすぼらしくなっているかは見ものだな」
ただ、誰がフェリシアを解放したのかがわからないな。
「ボレアース。仕事だ。フェリシアの流通ルートを探れ」
「かしこまりました」
ボレアースはそう言うと一瞬で姿を消した。
「少々意地を張り過ぎたか」
俺は本のフェリシアの部分を破ると本を閉じる。そして破いた部分を捨てると部屋を出ていった。
ダンジョンの遺物⑥
名前 ドラゴンキラー
分類:食料品
ものすごく酔っ払える酒。お酒が得意な者でもすぐに酔い潰れる。ダンジョンで稀に出現する。ドワーフにこれを持っていくと喜ばれるらしい。




