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マッドサイエンティスト異世界で神をやる  作者: 竹馬の友
世界でたった一人の勇者編

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勇者は困惑する

日向迅視点

 「むっ! 何このにおい! 『神聖魔法』」



 フォルトゥナは建物の奥に進んでいくと、においを防ぐように鼻をつまみ、『神聖魔法』を使う。



 「もう大丈夫だからね」



 そこには女性の奴隷が端で固まっていた。



 フォルトゥナはオレの目を手で塞いだ。



 「ジン、とりあえず異能を発動させたら外に出て言ってくれない? この人たちが怖がってるから」



 オレはフォルトゥナの言う通りに実行する。フォルトゥナの手の隙間から見える視界は酷いものであった。



 『奴隷解放』

 『奴隷解放』

 『奴隷解放』

 『奴隷解放』

 『奴隷解放』

   ・

   ・

   ・



・・・



 オレは奴隷解放を行なった後、外に出る。フォルトゥナはオレが外に出るときに布を探してきて欲しいと伝えられたので布を探してくる。



 「確かここら辺にあった気が・・・」



 オレは盗賊村にあった馬車に行きそこの中を探る。商人から馬車を奪ったのだろうか。そこにはたくさんの布があった。



 「こんな盗賊の村ができるまで盗賊が放置されてるなんて・・・やっぱりこの国の評価はあながち間違いじゃなさそうだな」



 オレは馬車の積荷を漁っていると後ろから声がかかる。



 「おう! ジン! そこで何してるんだ?」



 後ろを振り返るとそこにはカラクがいた。カラクの傍らには盗賊のボスがいて、カラクによって引きずられている。カラクは拘束された盗賊のボスを乱雑にそこら辺に放り投げた。



 「何って、フォルトゥナから布を持って来るように頼まれたんだ」



 オレはそう言うとカラクは横に付いていたポーチを取り出した。



 「これ、この中に入れていいぞ!」



 カラクはポーチをオレに投げる。



 「このポーチ、見た目的にはそんなに入らなそうだが、マジックバックか何かか?」



 オレはキャッチしたポーチを観察した。



 「ああ、そうだ。無くしたら殺すぞ」



 ナチュラルに殺害予告を喰らったオレは一応手を突っ込み中に広い空間があるのを確認する。



 「案外広いな」



 「そりゃあ国宝級のマジックバックだからな。これで城が建つぞ?」



 カラクは脅かすように言う。



 「普段はオレが集めた剣なんかを入れてるんだがそれでもスペースはあるはずだ」



 オレはカラクの話を聞きながらマジックバックに布を入れていく。



 「普段はその剣を使っているのか?」



 オレはカラクがマジックバックに入れないで携えている剣を見る。



 「ああ、これのことか?」



 カラクは剣を持ち上げる。



 「確かに普段はこれだな。エンバースって言ってな。オレの普段使いの武器だな」



 剣の話をしているとオレはあることを思い出した。



 「そういえば、守護の剣渡してなかったな」



 オレはカラクとの契約だ。そういえば、守護の剣はまだオレの手元にあった。オレは渡そうとするがカラクから予想外の言葉が返ってくる。



 「ああ? それならまだ嬢ちゃんの契約が残ってるからな。それが終わってから渡してくれればいい」



 「そうか」



 カラクの提案はオレにとってもありがたかった。



 「よし、ここにある布は全部回収したな」



 オレは馬車にあった布を全て回収すると荷馬車から降りる。



 「おっと!」



 「それで? おつかいの最中なんだろ?」



 カラクは気だるげな声で言うと放り投げた盗賊をまた掴み、引き摺りながら歩き出す。



 「どこにいるんだ? 嬢ちゃんは?」



 カラクはこっちの方に振り返った。



 「こっちの方だったよな?」



 オレは記憶を頼りに盗賊の村を練り歩いていく。



 「そういえば、こいつも前お前がやったように頼む」



 そう言って盗賊のボスを渡してくる。この盗賊のボスからも情報を聞くために奴隷契約をしろと言うことなのだろう。



 「よし、やるか」



 奴隷契約の魔法は前の戦いでたくさん吸収している。オレは早速魔法を放出した。



 『リリース』



 ここからが奴隷契約の設定だ。



 「汝己の罪を自由を代償に清算する。この契りのでは三つのことを規定する。一つ、この契りは罪の清算のためのもの、過ちをなすことを禁ずる。一つ、この契約からときを経過させ、罪が清算されたときこの契約は果たされる。一つ、契約者が罪を強制し為されたとき、この契約は破棄される」



 盗賊のボスに奴隷紋が刻まれる。



 「これで出来たか。まあ嬢ちゃんも今いないし、話を聞くのは合流してからだな」



 盗賊のボスはまだのびていた。オレたちは変わらずカラクがボスを引き摺りながらフォルトゥナの方へ向かっていった。



 ・・・



 「フォルトゥナ! 持ってきたぞ!」



 オレは建物の前で声をかけるとフォルトゥナの声が返ってくる。



 「ああ! ありがとう! ジン!」



 フォルトゥナはこの建物から出てくるとオレはマジックバックから布を取り出す。



 「こんなに!? よくこんなに見つけられたね」



 「マジックバックにはまだ入っているぞ?」



 「最高」



 フォルトゥナは布を抱えながらグットサインをこちらに示す。



 「これって高性能なマジックバック!? 伊達にSランクはやってないってことね」



 オレはうんうんと頷くが歯車に何かが引っかかったごとく止まる。



 「Sランク?」



 今、この場でSランクと言われて考えられるのは一人しかいなかった。



 「もしかして? カラクってSランク・・・」



 そう言っているときだった。建物からある少女が飛び出してくる。



 「カラクゥゥゥゥ!」



 「っ!?」



 突然小屋から裸の少女が飛び出してきた。



 「もうちょっと羞恥心と言うものを持って欲しいものだな」



 カラクはその少女を剣を使わずに制圧し、床に押さえつける。



 「カラク! お前だけは、お前だけは生かしてはおけない!」



 その少女は白銀の髪にケモ耳が生えていた。その少女はカラクに尋常じゃない睨みを聞かせている。



 「お前が! お前さえいなければ! 父上も、母上も、いなくならなかった!」



 カラクはその少女がジタバタと動くたびに拘束する力を強くする。



 「これ以上、暴れるなら骨を折るぞ」



 「そんなものにわたしは屈しな・・グキッ・・あっー!」



 「ちょっと! カラク! 流石にやりすぎ!」



 フォルトゥナはカラクの行動を咎めるが先ほどのカラクとは様子が違った。



 「嬢ちゃん。これは俺の問題だ。口出ししないでくれるか?」



 カラクは殺気を出しながら、こちらを牽制した。



 「おい、ジン! こいつに奴隷契約の魔法をかけてやってくれねえか?」



 カラクはさっきとは違い冷酷な雰囲気を纏っていた。



 「カラク、理由もなしに奴隷にするわけないだろ」



 オレはカラクの発言に困惑する。



 「そうか・・・。まあ、そうだよな・・・」



 カラクは困ったように頭を抱える。



 「別にオレも本意じゃないんだ。だからこっちの案は止めるよ。世界樹の葉のためだ。信用は勝ち取らないとだからな」



 カラクは何かを諦めたように言った。



 「放せ!」



 カラクによって拘束されている獣人は今もなお暴れていた。



 「放すと攻撃してくるだろ! 放さねえよ!」



 カラクはそう言うとさらに拘束をきつくする。



 「はっ! ぐぶっ!」



 獣人はカラクが拘束を強めたことにより意識を失った。



 「これでいいか」



 カラクは一仕事終わったかのごとく手をはたく。オレたちとカラクの間では緊張感が漂っていた。



 「カラク・・・。一体何をしようとしてるの?」



 フォルトゥナもカラクから殺気を当てられたことで緊張が走っていた。



 「いや、お前たちとどうこうするつもりはない・・・って、言ったけど・・・いや、言ってないかも。ただ、これは・・・随分と警戒させちまったらしいな」



 カラクの目線はオレとフォルトゥナを行き来していた。



 「カラク! どう言うことか説明しなさい!」



 フォルトゥナはカラクに説明を求めるとカラクはため息を吐く。



 「まあ、詳しいことはこのそこの()()()にでも聞くんだな。あと、依頼の件だが、やはり見た感じここではない別の場所に送られてそうだな」



 カラクは考えた素振りをしたあと話出した。



 「まあ、こいつがいる以上、あいつとも関係があるだろ。多分あいつに聞けばわかる。オレは交渉をしてみる。一応はSランクだしな。ある程度の融通は聞くだろう。契約は守る。無理だったらすまん」



 カラクは勝手に話を進めていく。



 「じゃあな。王都に来たら連絡を取ろう」



 そう言うとカラクはこちらを振り返らずに去っていく。



 「待て! まだ話が!」



 オレはカラクを止めようとするが足が止まることはなかった。そして去り際にカラクは思い出したからの如く話出した。



 「あっ! 最後にそこに倒れているやつに一つ伝言を頼む。俺は別にあいつに好きで従ってるわけじゃない。むしろ・・・いや。あんまり言い過ぎると時間が経ちすぎるな。まあ、そういうことだ。だからな、ここでは見逃してやる。ちゃんと伝えろよ。『戻れ』」



 カラクの方にマジックバックが吸い寄せられていき、マジックバックをキャッチするとマジックバックから入っていた残りの布を取り出す。



 「じゃあ、王都で」



カラクはそう言い残すと盗賊村を去っていった。

三種の奴隷契約



 生命維持の契約


 命の保証により成り立つ契約。契約時。契約者よりも格下のときにしか契約できない。強者であっても契約時に著しく弱くなっている場合は契約が成立する。生命維持の契約は自身が限りなく死に近づく。つまり、瀕死状態で契約は破棄される。奴隷契約は二重につけることはできない。



 罪の契約


 相手の罪を糧に契約できる。正当防衛などで人を殺した場合などは不適。また、地域の独自の罪などにも適応はされない。基本的には盗賊行為などが該当する。罪に応じた刑期の間、奴隷となる。行動により奴隷契約の期間が伸び縮みする。また、罪に見合わない命令をされると刑期が短くなる。さらに罪を命令され、実行すると契約は破棄される。再犯を犯し再度罪の契約で奴隷になった場合、同じ罪でも前と比べて刑期は重くなる。刑期を終えたものは解放される。



 借金契約


 借金により奴隷契約。奴隷状態は言うなれば借金返済までの仕事のようなもの。借金を返済したら解放される。命令実行は特別手当のようなものであり、難易度が高いほど報酬もでかい。明らかに借金返済に不利になる行動、 (犯罪行為など) を命令し、実行した場合、契約は破棄される。

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